第18回 言語聴覚士国家試験 第45問
言語学第18回
2項の形容詞述語として用いられないのはどれか。
- 1.遅 い ✓
- 2.強 い
- 3.怖 い
- 4.不便だ
- 5.好きだ
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 遅い
形容詞述語として用いられるには「2項述語」(述語が2つの名詞句を必要とする)として機能する必要があります。「遅い」は1項述語(主語1つで完結)であり、2項述語として用いられません。一方、選択肢2~5は「〜が〜を」「〜が〜に」の2項構造を取ります。
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【各選択肢の解説】
1. 遅い
❌ 誤り。「遅い」は1項述語です。「列車が遅い」のように主語だけで意味が完結し、対比する2つの項を必要としません。「AがBより遅い」という比較構文では2項的に見えますが、これは「遅い」そのものの性質ではなく、比較表現による修飾です。
2. 強い
✅ 正しい。2項述語です。「彼が敵に強い」「私が数学に強い」のように、主体と対象の2つの項を取ります。「AがBに/を強い」という構造が可能です。
3. 怖い
✅ 正しい。2項述語です。「私が幽霊を怖い」「子どもが注射を怖い」のように、体験者と対象の2項構造を取ります。感情形容詞の典型的な2項述語です。
4. 不便だ
✅ 正しい。2項述語です。「ここが駅から不便だ」「このシステムがユーザーに不便だ」のように、対象と基準の2項を必要とします。「だ」型形容詞動詞ですが、2項述語としての機能を持ちます。
5. 好きだ
✅ 正しい。2項述語です。「私が猫を好きだ」「彼が読書を好きだ」のように、体験者と対象の2項構造を取ります。感情形容詞動詞の典型例です。
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【試験対策ポイント】
項数と述語の分類
| 述語の型 | 項の数 | 例 |
|---|---|---|
| 1項述語 | 主語のみ | 遅い、新しい、美しい、高い |
| 2項述語 | 主語+対象/相手 | 強い、怖い、好きだ、〜に似ている |
| 3項述語 | 主語+与者+受者 | 〜に〜を与える |
重要な区別
- 「遅い」→「列車が遅い」(1項のみ)。比較では「AがBより遅い」と「より」を介するが、これは「遅い」の本質ではない
- 「強い」→「AがBに強い」(2項構造が本質)
- 感情形容詞(怖い・好きだ)は必ず2項述語
- 「だ」型の形容詞動詞(好きだ・不便だ)も2項述語として機能
試験での見分け方
述語が「AがBを/に〜」という2項構造を自然に取るか確認する。「遅い」は「〜が遅い」だけで完結し、対象を必須としないため、2項述語ではない。