第18回 言語聴覚士国家試験 第46問
言語学第18回
「 」内が否定のフォーカスになっているのはどれか。
- 1.「太郎と」北海道には行かなかった。
- 2.「昨日」太郎からメールは来なかった。
- 3.もらったプレゼントを「開けも」しなかった。 ✓
- 4.太郎が「電車に」乗り遅れたわけではない。
- 5.その店は「営業日なのに」やっていなかった。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — もらったプレゼントを「開けも」しなかった。
この文では、「開けも」が否定のフォーカスになっています。日本語では「~も」という助詞が加わることで、その要素が否定の焦点となり、「開けることさえもしなかった」という意味になります。つまり、「開ける」という行為自体が否定の対象であり、強調されています。
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【各選択肢の解説】
1. 「太郎と」北海道には行かなかった。
❌ 誤り。「~には」という格助詞が文の主要な焦点であり、否定のフォーカスは「北海道に」です。「太郎と」は従属的な情報であり、否定の対象ではありません。
2. 「昨日」太郎からメールは来なかった。
❌ 誤り。「~は」という対比的な助詞が焦点であり、否定のフォーカスは「太郎から」または全体の事象に向いています。「昨日」は時間的背景情報に過ぎません。
3. もらったプレゼントを「開けも」しなかった。
✅ 正しい。「開けも」の「も」は、「開けることさえも~しなかった」という意味で、「開ける」という行為を否定のフォーカスとして強調しています。これが唯一、括弧内の要素が否定の焦点になっている選択肢です。
4. 太郎が「電車に」乗り遅れたわけではない。
❌ 誤り。「わけではない」という打ち消しの構文では、「電車に乗り遅れた」全体が否定の対象であり、「電車に」だけが否定のフォーカスではありません。
5. その店は「営業日なのに」やっていなかった。
❌ 誤り。「~のに」は逆接の接続助詞であり、「営業日であるという条件にも関わらず閉まっていた」という対比構造です。否定のフォーカスは「やっていなかった」という述語に向いており、「営業日なのに」ではありません。
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【試験対策ポイント】
否定のフォーカス(焦点化)の判定法
| 判定項目 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| 「も」の付加 | 「~もしなかった」で焦点化 | 「開けもしなかった」→「開ける」が焦点 |
| 格助詞「に・を」 | 述語の直接の対象。単独では焦点にならない | 「北海道には」「メールは」→述語が焦点 |
| 対比助詞「は」 | 他との対比。否定全体を支える | 「太郎からは」→他の誰かとの対比 |
| 逆接「のに」 | 前提条件を示す。焦点ではない | 「営業日なのに」→条件提示 |
| 「わけではない」 | 全体的な否定。個別要素の焦点化ではない | 述語全体が否定対象 |
**重要:否定のフォーカスは、否定表現によって強調・対象化される句要素**。特に「~も」や「~さえ」の助詞が加わると、その前の要素が明確に焦点化されます。