第18回 言語聴覚士国家試験 第72問
言語発達障害学第18回
小学校2年生。発達性読み書き障害の男子。仮名文字と音声との対応規則の学習で優先順位が低いのはどれか。
- 1.文字形態の言語化
- 2.音韻抽出
- 3.絵と仮名単語とのマッチング
- 4.キーワード法での仮名1文字学習
- 5.仮名文字のなぞり ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 仮名文字のなぞり
仮名文字と音声との対応規則を学習する際は、音韻と文字の結びつきを明確にする活動が優先度が高い。なぞり書きは文字の運動形成を目指す活動であり、音韻-文字対応の学習には直結しないため優先順位が低い。
---
【各選択肢の解説】
1. 文字形態の言語化
✅ 正しい。「○○のような形」と視覚的特徴を言語化することで、文字の認識が強化され、音韻との結びつきが確立しやすくなる。優先度が高い活動である。
2. 音韻抽出
✅ 正しい。仮名1文字が表す音韻を明確に抽出・認識することは、文字-音韻対応の学習の核となる最優先活動である。
3. 絵と仮名単語とのマッチング
✅ 正しい。視覚的に「絵→単語→音」という連鎖学習を確立し、文脈的な支援を通じて仮名と音韻の結びつきを強化する重要な手段である。
4. キーワード法での仮名1文字学習
✅ 正しい。「『あ』は『りんご』の『あ』」といった標準的な学習方法で、文字と音韻を直結させる基礎的で優先度の高い活動である。
5. 仮名文字のなぞり
❌ 誤り(優先度が低い)。なぞり書きは文字の運動学習・筆記スキル向上を目指す活動であり、仮名-音韻対応規則の獲得には直接的に寄与しない。読み書き障害の基盤である音韻-文字結びつきの学習としては優先度が低い。
---
【試験対策ポイント】
発達性読み書き障害の学習支援:優先順位の整理
| 優先度 | 活動内容 | 焦点 |
|---|---|---|
| 高 | 音韻抽出 | 「ア」の音を意識させる |
| 高 | キーワード法 | 「あ」=「あ」の音(標準学習) |
| 高 | 絵とマッチング | 文脈的支援で音韻-文字結合 |
| 中 | 文字形態の言語化 | 視覚的認識強化 |
| 低 | なぞり書き | 運動学習(副次的) |
キーワード:音韻-文字対応が直結する活動が優先。なぞり書きは「筆記能力」であり「読み能力の基盤」ではない。