第18回 言語聴覚士国家試験 第71問
言語発達障害学第18回
正しいのはどれか。
- 1.知能指数は(生活年齢÷精神年齢)×100で算出される。
- 2.PVT-Rの語彙年齢は表出語彙の発達レベルを示す。
- 3.偏差知能指数は同年齢の集団の中における位置を示す。 ✓
- 4.LCスケールはPASS理論に基づいて開発された。
- 5.言語学習年齢はDN-CAS認知評価システムの結果を示す指標である。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 偏差知能指数は同年齢の集団の中における位置を示す。
偏差知能指数(標準化知能指数)は、平均100、標準偏差15(あるいは16)の正規分布を基準として設定されており、受検者が同年代の集団の中でどのような位置にあるかを相対的に示します。これにより経時的な比較が可能になり、modern IQテストの標準的な報告方式です。
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【各選択肢の解説】
1. 知能指数は(生活年齢÷精神年齢)×100で算出される。
❌ 誤り。これは逆です。知能指数(IQ)は「(精神年齢÷生活年齢)×100」で算出されます。この式は「比率IQ」と呼ばれ、古い方式(例:スタンフォード・ビネー知能検査第4版まで)で使用されていました。
2. PVT-Rの語彙年齢は表出語彙の発達レベルを示す。
❌ 誤り。PVT-R(絵画語彙検査改訂版)は「受容語彙」を測定するテストです。表出語彙を測定しません。受容語彙と表出語彙は異なり、一般的に受容語彙が先に発達します。
3. 偏差知能指数は同年齢の集団の中における位置を示す。
✅ 正しい。偏差知能指数(standard score)は、同年代の大規模標準化サンプル内での相対的位置を示す指標です。平均100を基準として上下の標準偏差を用いるため、年齢間の比較が可能で、児童が成長しても指数の解釈が一貫しています。
4. LCスケールはPASS理論に基づいて開発された。
❌ 誤り。LCスケール(Language for Cognitive)はありません。一方、PASS理論に基づいた認知評価検査はCAS(Cognitive Assessment System)です。LCという命名は一般的ではなく、紛らわしい選択肢です。
5. 言語学習年齢はDN-CAS認知評価システムの結果を示す指標である。
❌ 誤り。「言語学習年齢」という専門用語は、DN-CAS認知評価システムの標準的な指標ではありません。DN-CASはPASS理論を日本の児童に適用したものですが、精神年齢や偏差知能指数などが指標として用いられます。
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【試験対策ポイント】
知能指数の2つの計算方式の違い
| 区分 | 式 | 使用時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 比率IQ | (精神年齢÷生活年齢)×100 | 古い検査(S-B第4版まで) | 加齢に伴い精神年齢の上昇が減速するため、思春期以降は低下傾向 |
| 偏差IQ | Z得点×15+100(標準偏差15の場合) | Modern検査(WISC-Ⅳ、K-ABC等) | 同年代集団内の相対位置を示し、年齢を通じた比較が可能 |
代表的な知能検査と測定内容
| 検査名 | 測定対象 | 主な指標 |
|---|---|---|
| PVT-R | 受容語彙 | 語彙年齢・語彙指数 |
| 田中ビネー知能検査 | 全般的知能 | 精神年齢・IQ |
| WISC-Ⅳ | 児童認知能力 | 言語理解・知覚推理・処理速度・作動記憶 |
| K-ABC | 児童知能 | 認知処理能力・習得度 |
| CAS・DN-CAS | PASS理論に基づく認知 | 計画・注意・同時処理・継次処理