第19回 言語聴覚士国家試験 第12問
リハ医学第19回
長期臥床による廃用症候群について正しいのはどれか。
- 1.膝伸展筋力は低下しない。
- 2.起立性低血圧の予防には早期から座位時間を確保する。 ✓
- 3.下肢深部静脈血栓症に対してはマッサージを行う。
- 4.肺活量が増加する。
- 5.側臥位であれば褥瘡は生じない。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 起立性低血圧の予防には早期から座位時間を確保する。
長期臥床による廃用症候群では、重力に対する適応喪失が起こります。特に起立性低血圧の予防には、座位や立位で下肢筋に負荷をかけ、血液の重力的移動に対する循環調節機能を維持することが重要です。早期からの座位確保と段階的な起立訓練が有効な予防策です。
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【各選択肢の解説】
1. 膝伸展筋力は低下しない。
❌ 誤り。廃用症候群では重力を受けない卧床状態が続くため、特に下肢の抗重力筋(膝伸展筋・股関節伸展筋)が著しく低下します。臥床1週間あたり約3~5%の筋力喪失が報告されています。
2. 起立性低血圧の予防には早期から座位時間を確保する。
✅ 正しい。臥床中の循環系は体液調節機能が低下し、起立時の血液の重力的移動に対応できなくなります。早期からの座位や立位により、下肢の血液プーリングに対する反射的調節(シャント機構の維持)が保たれ、起立性低血圧が予防できます。
3. 下肢深部静脈血栓症に対してはマッサージを行う。
❌ 誤り。深部静脈血栓症(DVT)が疑われる際のマッサージは禁忌です。マッサージにより血栓が遊離し、肺塞栓症を引き起こす危険があります。予防には早期の運動・座位化や医学的対策(抗凝固療法・弾性ストッキング)が適切です。
4. 肺活量が増加する。
❌ 誤り。臥床により胸郭の可動性が低下し、横隔膜などの呼吸筋が萎縮するため、肺活量は低下します。廃用性の肺活量低下は約10~20%程度報告されています。
5. 側臥位であれば褥瘡は生じない。
❌ 誤り。褥瘡は一つの体位で長時間圧迫が続けば、側臥位であっても生じます。特に側臥位での転子部や膝関節外側などが好発部位です。予防には定期的な体位変換(1~2時間ごと)が必須であり、単一体位の継続は危険です。
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【試験対策ポイント】
廃用症候群の主要な変化:
| 器官系 | 変化(臥床による)| 対策 |
|---|---|---|
| 筋肉系 | 筋萎縮・筋力低下(下肢>上肢) | 早期運動・立位・歩行訓練 |
| 循環系 | 起立性低血圧・血液量減少 | 早期座位化・圧迫ストッキング |
| 呼吸系 | 肺活量低下・無気肺 | 深呼吸訓練・早期起立 |
| 骨系 | 骨塩量減少(脱灰) | 負荷運動・早期立位 |
| 褥瘡 | 圧迫部位の組織壊死 | 定期的体位変換(1~2時間) |
| 静脈系 | 深部静脈血栓症 | 運動・歩行・抗凝固療法 |
キーワード:
- 起立性低血圧=「座位・立位による重力刺激が予防の鍵」
- DVT予防=「マッサージは禁忌」「早期運動が原則」
- 褥瘡予防=「体位関係なく定期的体位変換が必須」
- 廃用性変化は「可逆的だが時間に比