第19回 言語聴覚士国家試験 第126問
認知心理学第19回
カテゴリー的概念を説明する理論でないのはどれか。
- 1.定義的特徴理論
- 2.プロトタイプ理論
- 3.事例モデル
- 4.理論ベース理論
- 5.スキーマ理論 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — スキーマ理論
スキーマ理論は「カテゴリー的概念」ではなく、より上位の「一般的な知識構造」を説明する理論です。カテゴリー的概念の形成メカニズムを対象とする1~4番に対し、スキーマ理論は状況や領域全体の知識体系の組織化を扱うため、概念カテゴリー化そのものの説明理論ではありません。
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【各選択肢の解説】
1. 定義的特徴理論
✅ 正しい。カテゴリー概念を説明する理論です。古典論理に基づき、あるカテゴリーに属するすべての対象が共有する必要十分条件(定義的特徴)を想定しています。例えば「三角形」は「3本の辺を持つ」という定義的特徴で説明されます。
2. プロトタイプ理論
✅ 正しい。カテゴリー概念を説明する理論です。Rosch提唱。カテゴリー内で最も代表的な典型例(プロトタイプ)を中心に、その類似度によって概念の境界を曖昧に捉えます。例:「鳥」と言えばスズメは典型的、ペンギンは周辺的。
3. 事例モデル
✅ 正しい。カテゴリー概念を説明する理論です。プロトタイプの代わりに「実際に経験した具体的な事例(事例の集合)」をもとにカテゴリー判断を行うモデルです。新たな刺激との類似度で判定されます。
4. 理論ベース理論
✅ 正しい。カテゴリー概念を説明する理論です。Murphyら提唱。カテゴリーは単なる特徴の集合ではなく、「その対象に関する因果的・本質的な理論」に基づいて形成されると主張しています。例:「母親」は血縁や出産という因果理論で定義される。
5. スキーマ理論
❌ 誤り(選ぶべき選択肢)。スキーマ理論(Bartlettら)は、カテゴリー的概念そのもの説明するのではなく、より広く「記憶・状況理解・推論」といった認知全体を支える知識構造(組織化されたスキーム)を対象としています。個別の概念カテゴリー化メカニズムの説明理論ではありません。
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【試験対策ポイント】
概念説明理論の分類:
| 理論 | 対象 | 主要概念 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| **定義的特徴** | 必要十分条件 | 必ずすべて共有する特徴 | 独身男性=「結婚していない男性」 |
| **プロトタイプ** | 典型例との類似度 | 代表的な事例を中心 | 「鳥」=スズメ中心の判定 |
| **事例モデル** | 過去経験例の集合 | 個々の記銘事例 | すべての見たスズメから類推 |
| **理論ベース** | 因果的本質 | 背後にある理論・機序 | 「医者」=「患者を診療する人」 |
スキーマ理論の役割:
- カテゴリー化「以前」「以外」の認知全般を扱う
- 日常的推論・状況理解・記憶の枠組み
- カテゴリー理論とは「階層的に異なる」レベルの概念
本問の鍵:「カテゴリー『的』概念」という限定語→最も広い枠組みの理論は除外される