第19回 言語聴覚士国家試験 第125問
学習心理学第19回
ワーキングメモリーについて誤っているのはどれか。
- 1.代表的な機能は情報の保持と処理である。
- 2.主要な神経基盤は海馬である。 ✓
- 3.中央実行系はシステム全体を管理・制御する。
- 4.音韻ループと視空間スケッチパッドを含む。
- 5.読解能力が高いものはワーキングメモリー容量が大きい。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 主要な神経基盤は海馬である。
ワーキングメモリーの主要な神経基盤は「前頭前皮質」(特に背外側前頭前皮質)です。海馬は長期記憶の固定化に関与する構造であり、ワーキングメモリーの基盤ではありません。このため、選択肢2は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 代表的な機能は情報の保持と処理である。
✅ 正しい。ワーキングメモリーの定義そのものです。一時的に情報を保持しながら、同時に処理(計算・推論・統合など)を行う機能が特徴です。
2. 主要な神経基盤は海馬である。
❌ 誤り。ワーキングメモリーの主要な神経基盤は背外側前頭前皮質(dlPFC)です。海馬は長期記憶の形成・固定化に関与する構造で、ワーキングメモリーではありません。
3. 中央実行系はシステム全体を管理・制御する。
✅ 正しい。Baddeley & Hitchモデルにおいて、中央実行系は注意制御を行い、音韻ループと視空間スケッチパッドの活動を調整・監督する中核的成分です。
4. 音韻ループと視空間スケッチパッドを含む。
✅ 正しい。Baddeleyモデルでワーキングメモリーは、中央実行系のほか、音韻ループ(言語情報保持)と視空間スケッチパッド(視覚・空間情報保持)の3成分から構成されます。
5. 読解能力が高いものはワーキングメモリー容量が大きい。
✅ 正しい。読解時には、文法構造・意味統合・推論が同時進行するため、ワーキングメモリー容量が大きい個人ほど読解成績が優れるという研究知見が確立されています。
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【試験対策ポイント】
ワーキングメモリー(WM)と長期記憶(LM)の神経基盤
| 機能 | 主要神経基盤 | 保持時間 | 容量 |
|---|---|---|---|
| ワーキングメモリー | 背外側前頭前皮質 | 秒単位 | 3~7項目 |
| 長期記憶形成 | 海馬 | 恒久的 | 無制限 |
Baddeley & Hitchのワーキングメモリーモデル(3成分)
- 中央実行系:注意配分・制御・監督機能
- 音韻ループ:言語情報の保持・リハーサル
- 視空間スケッチパッド:視覚・空間情報の保持
頻出フレーズ別チェック
| フレーズ | 正誤 |
|---|---|
| WM神経基盤=海馬 | ❌ 背外側前頭前皮質が正答 |
| WM神経基盤=前頭前皮質 | ✅ 正答 |
| 海馬=長期記憶固定化 | ✅ 正答 |
| LM形成・固定化=海馬 | ✅ 正答 |