第19回 言語聴覚士国家試験 第127問
心理測定法第19回
誤っているのはどれか。
- 1.比率尺度水準の値は名義尺度水準の値に変換できる。
- 2.間隔尺度水準の値は順序尺度水準の値に変換できる。
- 3.順序尺度水準の測定値によって相関係数を計算できる。
- 4.一対比較法によって順序尺度水準の測定値を得ることができる。
- 5.記述評定尺度法によって比率尺度水準の測定値を得ることができる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 記述評定尺度法によって比率尺度水準の測定値を得ることができる。
記述評定尺度法(例:「強い」「弱い」などのカテゴリー選択)は、本質的に名義尺度から順序尺度までの測定にとどまります。比率尺度(絶対ゼロ点を持ち、比率が意味を持つ)には達しません。この選択肢は「え、記述評定尺度で比率尺度が得られる」という誤解を狙った引っかけです。
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【各選択肢の解説】
1. 比率尺度水準の値は名義尺度水準の値に変換できる。
✅ 正しい。尺度水準は「比率→間隔→順序→名義」の順で情報を段階的に失いながら下降変換できます。比率尺度(身長など)を「高身長/低身長」という名義に変換することは可能です。
2. 間隔尺度水準の値は順序尺度水準の値に変換できる。
✅ 正しい。間隔尺度(気温など)を「高い/中程度/低い」という順序に変換できます。下位レベルへの変換は常に可能です。
3. 順序尺度水準の測定値によって相関係数を計算できる。
✅ 正しい。スピアマンの順位相関係数やケンドールの順位相関係数は、順序尺度データに適用可能です。ただしピアソンの積率相関係数は間隔尺度以上が必要です。
4. 一対比較法によって順序尺度水準の測定値を得ることができる。
✅ 正しい。一対比較法(AとBどちらが大きいか、など)は複数対象を相互に比較し、最終的に順序付けができるため、順序尺度を得る代表的な方法です。
5. 記述評定尺度法によって比率尺度水準の測定値を得ることができる。
❌ 誤り。記述評定尺度法(「非常に強い」「強い」「弱い」などのカテゴリーを選ばせる方法)は、本質的に順序尺度止まりです。比率尺度には絶対的なゼロ点と意味のある比率が必要ですが、この方法ではそれらが保証されません。例えば「強い」と「弱い」の間隔が等しいわけでなく、「強い=弱い×2」という比率が成立しません。
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【試験対策ポイント】
尺度水準の階層と変換方向:
- 比率尺度 → 間隔尺度 → 順序尺度 → 名義尺度(一方向変換のみ可)
- 逆方向(例:名義→比率)は変換不可
記述評定尺度法の限界:
- 得られるもの:名義~順序尺度(カテゴリー化した結果)
- 得られないもの:間隔尺度以上(絶対的スケール、等間隔性なし)
- 例:「痛みの強さ:強い/中程度/弱い」→順序尺度
各測定方法と尺度水準の対応:
| 測定方法 | 得られる尺度水準 |
|---|---|
| 直接測定(ものさし等) | 比率尺度 |
| 視覚的アナログスケール(VAS) | 比率またはリッカート尺度(順序) |
| 記述評定尺度法 | 名義~順序尺度 |
| 一対比較法 | 順序尺度 |
| リッカートスケール | 順序尺度(間隔と仮定する場合も) |
相関係数の選択肢:
- ピアソンの積率相関係数:間隔尺度以上
- スピアマン/ケンドール:順序