STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第140問

音響学第19回
成人男性話者の広帯域サウンドスペクトログラムを示す。対応する語はどれか。【別図あり】
  1. 1.かしつ
  2. 2.かすてら ✓
  3. 3.べっさつ
  4. 4.まっしろ
  5. 5.かせき
第19回第140問 図

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — かすてら 広帯域スペクトログラムの読み取りでは、摩擦音の特徴的な高周波ノイズパターンと、破裂音の閉鎖区間を識別することが重要です。「かすてら」は/k/-/s/-/u/-/t/-/e/-/r/-/a/という音列で、特に摩擦音/s/と破裂音/k/、/t/の特徴が顕著に表れます。スペクトログラムには/s/の高周波域(3000Hz以上)における強いノイズと、破裂音の閉鎖区間が明確に視認されるはずです。 --- 【各選択肢の解説】 1. かしつ ❌ 誤り。/k/-/a/-/ʃ/-/i/-/t/-/u/の音列。摩擦音/ʃ/(シャ行)は/s/よりも低周波域に主要エネルギーを持つため、スペクトログラムのパターンが異なります。また「つ」の破裂音位置が異なるため、スペクトログラムの時間軸上での配置が一致しません。 2. かすてら ✅ 正しい。/s/の摩擦音は2000~8000Hzの広い帯域に高周波ノイズを示し、破裂音/k/と/t/の閉鎖区間が明確です。また長母音/a/が含まれるため、フォルマント構造が明瞭に観察でき、スペクトログラム上の特徴が最も識別しやすい語です。 3. べっさつ ❌ 誤り。/b/-/e/-/s/-/s/-/a/-/t/-/u/の音列。促音「っ」と「さ」が連続するため、摩擦音のノイズパターンと閉鎖区間の配置が「かすてら」と大きく異なります。子音数と音列構造の相違により、スペクトログラムの全体像が一致しません。 4. まっしろ ❌ 誤り。/m/-/a/-/s/-/i/-/r/-/o/の音列。鼻音/m/の特徴(フォルマント構造が曖昧)と、摩擦音/s/の位置が「かすてら」と異なります。また、弾き音/r/とより短い語の構造であるため、時間軸上の長さや周波数特性が一致しません。 5. かせき ❌ 誤り。/k/-/a/-/s/-/e/-/k/-/i/の音列。摩擦音/s/は含まれますが、語全体が短く、破裂音/k/が2回出現するため、スペクトログラム上の閉鎖区間の配置が「かすてら」と異なります。「テ」に相当するアフリケート/t/とその後の摩擦音成分が異なるため区別できます。 --- 【試験対策ポイント】 スペクトログラム読取りの3ステップ | 段階 | 確認項目 | チェック内容 | |---|---|---| | 1.周波数域 | 高周波ノイズ | 摩擦音/s/は3000Hz以上、/ʃ/は1500~4000Hz | | 2.時間構造 | 閉鎖区間 | 破裂音/k/,/p/,/t/は黒い帯状部分で識別 | | 3.語長 | 全体の時間軸 | 7音節語と3音節語では長さが明らかに異なる | 摩擦音の周波数特性(重要!) - /s/:最も高周波(5000Hz付近にピーク)→青白い高周波ノイズ - /ʃ/:低周波寄り(2000~3000Hz)→相対的に低周波ノイズ - /f/,/θ/:最も低周波 破裂音の識別のコツ -
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