STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第145問

言語発達学第19回
定型発達で1歳6か月前後になるとできるようになる行動はどれか。
  1. 1.「バイバイね」という声かけに動作をする。
  2. 2.「ちょうだい」と言うと持っているものを渡す。
  3. 3.「コップ持ってきて」など簡単な指示に従う。 ✓
  4. 4.「ダメ」というと手を引っ込める。
  5. 5.「どっちの丸が大きい」という問いに大きい丸を指す。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 「コップ持ってきて」など簡単な指示に従う。 1歳6か月は、受動語彙(理解語彙)が著しく増加し、簡単な2語文法を含む指示の意味を理解して行動できる時期です。このレベルの指示理解は、この月齢の典型的な発達段階に該当します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 「バイバイね」という声かけに動作をする。 ❌ 誤り。バイバイ動作は1歳前後(6~11か月)に獲得される、より早期の発達マイルストーンです。1歳6か月よりも前にできるようになります。 2. 「ちょうだい」と言うと持っているものを渡す。 ❌ 誤り。物の受け渡しを含む社会的相互作用は1歳3か月~1歳4か月に開始される行動です。1歳6か月時点では既に確立していた可能性が高く、この月齢で「できるようになる」行動ではありません。 3. 「コップ持ってきて」など簡単な指示に従う。 ✅ 正しい。1歳6か月では、具体物を対象にした2語程度の指示語を理解し、それに従って行動できるようになります。受動語彙が250語程度に達し、実質的な指示理解が成立する時期です。 4. 「ダメ」というと手を引っ込める。 ❌ 誤り。「ダメ」への抑止反応は1歳前後、あるいは1歳2~3か月には成立していた行動です。1歳6か月では既に習慣化した反応であり、この月齢で「できるようになる」ものではありません。 5. 「どっちの丸が大きい」という問いに大きい丸を指す。 ❌ 誤り。相対比較(大小比較)の理解と適切な指差しは2歳以降、さらには2歳6か月~3歳の発達段階です。1歳6か月ではまだ困難な高度な認知タスクです。 --- 【試験対策ポイント】 1歳6か月の発達マイルストーン(重要な月齢) | 発達領域 | 1歳6か月の典型的発達 | |---|---| | 受動語彙 | 250~350語程度 | | 能動語彙(発語) | 5~50語程度(個人差大きい) | | 指示理解 | 簡単な指示に従える(「持ってきて」など) | | 身振り・指差し | 指差しで物を要求・共有する | | 社会性 | 大人との相互作用増加、模倣遊び開始 | 各選択肢の発達段階 | 行動 | 成立時期 | |---|---| | バイバイ | 6~11か月(9~12か月) | | 物の受け渡し(「ちょうだい」) | 1歳2~4か月 | | 「ダメ」への抑止反応 | 1歳前後~1歳3か月 | | **簡単な指示理解** | **1歳6か月前後** ← 正答 | | 大小比較判断 | 2歳6か月以降 | キーワード:1歳6か月は「受動語彙の爆発期」→指示語の意味理解が急速に進む時期
関連

▶ 第19回 全問一覧

▶ 言語発達学 の過去問一覧