STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第167問

言語発達障害学第19回
7歳3か月の男児。検査結果から除外できる障害はどれか。【別図あり】 a.知的障害 b.算数障害 c.発達性読み書き障害 d.特異的言語発達障害 e.自閉症スペクトラム障害 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
第19回第167問 図

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b この問題は別図の検査結果(心理検査プロフィール)を読み取り、各障害の診断基準と照らし合わせて「除外できる障害」を選ぶものです。正答の「a.知的障害」と「b.算数障害」が除外できる理由は、通常このような問題では、対象児の全体的認知能力が平均~高い水準にあり、かつ特定領域(読み書き・言語)のみの低下パターンが示されているためです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 知的障害 ❌ 「除外できる」が正しい判定。知的障害は「全般的認知機能が有意に低い(IQ70以下)」が診断基準ですが、この児の検査結果は知的能力が正常~高い領域を示していると考えられます。したがって知的障害は除外できます。 2. 算数障害 ❌ 「除外できる」が正しい判定。算数障害(dyscalculia)は算数計算領域に限定した著しい低下を示しますが、この児は読み書きの障害が主訴であり、算数能力について問題となるプロフィールを示していません。したがって算数障害は除外できます。 3. 発達性読み書き障害 ✅ 「除外できない」。読み書き能力が有意に低い場合、この診断は除外されません。7歳3ヶ月は就学後の読み書き習得期であり、読み書き領域の低下が確認されていれば診断対象になります。 4. 特異的言語発達障害 ✅ 「除外できない」。言語理解・表現領域に低下が見られると考えられ、知的能力や非言語認知能力が保持されていればこの診断は除外できません。 5. 自閉症スペクトラム障害 ✅ 「除外できない」。自閉症スペクトラム障害は認知プロフィールだけでは診断確定・除外ができません。社会的相互作用、コミュニケーション、限定的・反復的行動パターンなどの質的特性の評価が必須です。 --- 【試験対策ポイント】 別図がない場合の推論スキル: | 診断 | 除外の条件(このタイプ児では見られない) | |---|---| | 知的障害 | 全般的IQが70以上(正常以上)である | | 算数障害 | 算数計算に限定した低下がない | | 読み書き障害 | 読み書き領域の有意な低下 | | 言語発達障害 | 言語領域の有意な低下(かつ非言語IQは正常) | | ASD | 認知プロフィール「のみ」では判定できない | 重要な否定知識: - 「ASDは認知検査で診断できない」→質的特性(社会性・対人関係・常同行動)の観察が必須 - 限局性学習障害除外基準:知的障害があると診断しない - 読み書き障害・算数障害は「知的能力は平均~以上」が前提条件 別図なし設問での答題法: 1. 「全般的認知が低い」→知的障害は除外「できない」 2. 「言語のみ低い」→言語発達障害は除外「できない」、知的障害は除外「できる」 3. 「算数のみ低い」→算数障害は除外「できない」、知的障害は除外「できる」 4. 「ASD」→認知プロフィール「のみ」では判定不可
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