第19回 言語聴覚士国家試験 第200問
小児聴覚障害第19回
言語習得期前難聴の10歳児。「夜間の見えにくさ」を訴えるようになり、視野の障害を指摘された。念頭におくべき疾患はどれか。
- 1.アッシャー症候群 ✓
- 2.先天性風疹症候群
- 3.ワールデンブルク症候群
- 4.耳硬化症
- 5.ミトコンドリアDNA3243点変異
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — アッシャー症候群
言語習得期前難聴に加えて「夜間の見えにくさ(夜盲)」と「視野障害」を訴えている点が、アッシャー症候群の典型的な臨床像です。アッシャー症候群は難聴と網膜色素変性症(進行性の視野狭窄+夜盲)の組み合わせを特徴とする遺伝性疾患であり、視覚聴覚二重障害の最多原因です。
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【各選択肢の解説】
1. アッシャー症候群
✅ 正しい。常染色体劣性遺伝で、難聴(先天性~幼少期発症)と網膜色素変性症の進行性視力障害を特徴とします。夜盲→周辺視野狭窄という進行経過が典型的で、本問の臨床像と合致します。
2. 先天性風疹症候群
❌ 誤り。3大症状は「心奇形・難聴・眼症状(白内障・緑内障)」ですが、「網膜色素変性症」は起こしません。また、先天性感染症であり遺伝性ではありません。夜盲と進行性視野狭窄は特徴ではありません。
3. ワールデンブルク症候群
❌ 誤り。難聴と「虹彩異色症・白髪・内眦距離増大」を特徴とする常染色体優性遺伝疾患です。進行性の網膜色素変性症を起こさないため、後天的な夜盲や視野狭窄を伴いません。
4. 耳硬化症
❌ 誤り。進行性の伝音難聴(時に感音難聴を合併)を起こしますが、眼症状は伴いません。視野障害や夜盲は特徴ではなく、本問の訴えとは関連性がありません。
5. ミトコンドリアDNA3243点変異
❌ 誤り。MELAS症候群の原因で、脳卒中様発作・筋症状・難聴を起こしますが、網膜色素変性症による進行性の夜盲や視野狭窄は特徴ではありません。視覚症状の進行パターンが異なります。
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【試験対策ポイント】
視覚聴覚二重障害の主な原因と鑑別
| 疾患名 | 難聴の特徴 | 眼症状 | 遺伝様式 |
|---|---|---|---|
| アッシャー症候群 | 先天性感音難聴 | 夜盲→視野狭窄(網膜色素変性症) | AR |
| 先天性風疹症候群 | 感音難聴 | 白内障・緑内障・網膜症 | 先天感染 |
| ワールデンブルク症候群 | 感音難聴 | 虹彩異色症・白髪 | AD |
| 耳硬化症 | 伝音難聴 | なし | AD |
| MELAS(3243変異) | 感音難聴 | 脳卒中様発作(眼症状なし) | 母系遺伝 |
キーワード
・「夜盲+視野狭窄」→ネット色素変性症→アッシャー症候群
・「難聴」単独では不十分。進行性視力喪失の有無が鑑別の最重要ポイント
・アッシャー症候群は言語習得期前難聴の約3~6%を占める最大原因