STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第27問

認知心理学第19回
知識の活性化拡散モデルの説明として最も適切なのはどれか。
  1. 1.知識ネットワークは階層構造をなす。
  2. 2.知識ネットワークのノードには概念と属性が表される。 ✓
  3. 3.ノード間の距離は一定である。
  4. 4.ネットワーク上では活性化するのはリンクである。
  5. 5.活性化によって知識ネットワークが拡散する。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 知識ネットワークのノードには概念と属性が表される。 活性化拡散モデルは、Collins & Quillianが提唱した認知心理学の重要な理論です。このモデルでは、人間の知識がネットワーク構造として脳に表現されており、各ノード(接点)は「概念」(例:犬、動物)と「属性」(例:4本足、毛がある)を表現しています。知識を想起する際、特定のノードから活性化が始まり、それが隣接するノード・さらに周辺のノードへと拡散していく過程が、記憶検索や推論を説明します。選択肢2は、このモデルの基本的で正確な記述です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 知識ネットワークは階層構造をなす。 ❌ 誤り。活性化拡散モデルは階層構造を前提としていません。むしろ、ノード間が多様に相互連結されたネットワーク構造です。階層構造を強調したのは別の認知モデル(例:カテゴリー階層の心理学)であり、混同しやすい誤りです。 2. 知識ネットワークのノードには概念と属性が表される。 ✅ 正しい。ノードには「犬」「動物」などの概念と、「毛がある」「4本足」などの属性が記録されます。これが活性化拡散モデルの中核的な仕組みです。 3. ノード間の距離は一定である。 ❌ 誤り。ノード間の距離は概念と属性の関連性の強弱によって異なります。距離が近いほど関連が強く、活性化が容易に伝播します(「犬」と「4本足」の距離は短い)。一定ではありません。 4. ネットワーク上では活性化するのはリンクである。 ❌ 誤り。活性化するのはノード(概念・属性)です。リンクは概念と属性をつなぐ結合経路であり、活性化の媒介となりますが、活性化の対象ではありません。主語が逆転した典型的な誤りです。 5. 活性化によって知識ネットワークが拡散する。 ❌ 誤り。活性化が拡散するのであり、ネットワーク自体が拡散するわけではありません。表現が逆転した誤りです。活性化が時間経過とともにネットワーク上を広がっていくプロセスが重要です。 --- 【試験対策ポイント】 活性化拡散モデルの核となる要素: | 要素 | 説明 | 具体例 | |---|---|---| | ノード | 知識の最小単位 | 「犬」「毛」「4本足」 | | リンク | ノード間の結合経路 | 「犬」⇔「4本足」をつなぐ線 | | 活性化 | ノードが興奮する状態 | 「犬」を思い出したときのノード活性化 | | 拡散 | 活性化が隣接ノードへ伝わること | 「犬」の活性化→「4本足」へ拡散 | 頻出の混同ポイント: - 「ネットワークが拡散」×→「活性化が拡散」○ - 「リンクが活性化」×→「ノードが活性化」○ - 「距離が一定」×→「関連性の強弱で距離が変動」○ - 「階層構造」×→「多重ネットワーク構造」○
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