第19回 言語聴覚士国家試験 第28問
心理測定法第19回
視覚の暗順応過程のように、時間的に変化する閾値の測定に最も適しているのはどれか。
- 1.調整法
- 2.極限法
- 3.恒常法
- 4.上下法 ✓
- 5.マグニチュード推定法
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 上下法
上下法(階段法)は、提示刺激を系統的に上昇・下降させながら閾値を測定する方法で、時間的に変化する閾値を追跡できます。暗順応のように閾値が時間とともに連続的に変動する過程を、リアルタイムで捉えるのに最適です。他の方法は静的な閾値測定を前提としており、動的な閾値変化への対応に適していません。
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【各選択肢の解説】
1. 調整法
❌ 誤り。被験者が刺激を自分で調整して閾値を求める方法で、測定者のペースに依存しません。時間経過に伴う閾値変化を追跡する設計になっていないため、暗順応測定には不適切です。
2. 極限法
❌ 誤り。強い刺激から弱い刺激へ(または逆)を一方向に変化させて閾値を測定する方法です。下降系列と上昇系列を交互に実施するため時間がかかり、急速に変化する暗順応過程の追跡に向きません。
3. 恒常法
❌ 誤り。複数の異なる刺激値を無作為順序で反復提示し、複数の系列を組み合わせて閾値を統計的に求める方法です。測定に要する試行数が多く、時間的に変化する閾値の追跡には不向きです。
4. 上下法
✅ 正しい。刺激を小さい値から開始して増加させ(上昇)、被験者が「見えた」と応答した時点で刺激を減少(下降)させます。この上昇・下降を繰り返すことで、変動する閾値をリアルタイムで追跡でき、暗順応のような時間的変化を捉えるのに最適です。
5. マグニチュード推定法
❌ 誤り。刺激の強度と知覚の大きさの関係を測定するスケーリング法であり、閾値測定法ではありません。暗順応のような閾値の時間的変化を測定する目的には適用できません。
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【試験対策ポイント】
| 測定法 | 特徴 | 最適用途 |
|---|---|---|
| 調整法 | 被験者が刺激を自分で調整 | 素早い測定が必要な場合 |
| 極限法 | 一方向に刺激を変化(上昇系列・下降系列) | 静的な閾値測定(標準的) |
| 恒常法 | 複数刺激値を無作為提示→統計処理 | 正確な閾値が必要な基礎研究 |
| **上下法** | **刺激を上下に変化→閾値を追跡** | **時間的変化する閾値(暗順応など)** |
| マグニチュード推定法 | 刺激の主観的大きさを数値化 | スケーリング・心理物理量測定 |
**重要否定知識**
- 「時間的変化」→調整法・恒常法・極限法では対応困難
- マグニチュード推定法は「閾値測定法ではない」(知覚の大きさを測定)
- 暗順応は秒〜分単位で急速に進行するため、少ない試行数で追跡できる方法が必須