STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第19回 言語聴覚士国家試験 第37問

音声学第19回
共通語(東京方言)の「洗面器」の音声表記として適切なのはどれか。
  1. 1.[senmenki]
  2. 2.[seɴmeɴkji]
  3. 3.[semmeŋkji] ✓
  4. 4.[seŋmeŋkji]
  5. 5.[ʃeɴmenkji]

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — [semmeŋkji] 共通語「洗面器」の音声表記では、撥音便による「ん」の実現形と、促音による重複が正しく表記される必要があります。「面」のmの前のnが撥音便によって[m]に同化し、「面器」の「面」mと「器」kの間で促音便が生じて[mm]となり、最終的に[semmeŋkji]が正答です。 --- 【各選択肢の解説】 1. [senmenki] ❌ 誤り。撥音便の同化と促音便の現象を反映していません。[n]がそのまま表記されており、実際の発音と大きく異なります。また[ki]は共通語で[kji]に近く、正確ではありません。 2. [seɴmeɴkji] ❌ 誤り。「洗面」の部分で撥音便による同化が起きていません。[ɴ](鼻音化)のままになっており、「面」mの前でmへの同化([m])が生じていない表記です。 3. [semmeŋkji] ✅ 正しい。「洗面」の「ん」が後続する「m」に同化して[m]となり[semme]になり、「面器」の「面」の[m]と「器」の[k]の間で促音便が生じて[mm]となります。また「き」は[kji]と表記されます。[ŋ]は鼻腔鼻音化の表記。 4. [seŋmeŋkji] ❌ 誤り。「洗面」の「ん」が[ŋ](軟口蓋鼻音)のままになっており、後続する[m]への同化が生じていません。また「面器」の間の同化現象も正確に表記されていません。 5. [ʃeɴmenkji] ❌ 誤り。最初の「洗」を[ʃ](シュー音)と表記していますが、共通語では[s]です。また撥音便による同化と促音便が反映されていません。 --- 【試験対策ポイント】 **撥音便(ん+子音の同化)** - n + m/b/p → [m]に同化(「洗面」[semme]) - n + t/d/s/z → [n]のまま - n + k/g → [ŋ]に同化 **促音便(同じ音の連続)** - 「面器」m + k → [mm](閉鎖の重複) **音韻記号と実現形** | 表記 | 実現例 | 説明 | |---|---|---| | [ɴ] | 鼻音化 | 母音化した撥音 | | [m] | 両唇鼻音 | 撥音の同化先(m/b/p前) | | [ŋ] | 軟口蓋鼻音 | 撥音の同化先(k/g前) | | [mm] | 促音便 | 同じ音の重複 | **共通語の「き」「ぎ」** - [ki][gi]ではなく、より正確には[kji][gji]と表記(口蓋化)
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