第19回 言語聴覚士国家試験 第78問
機能性構音障害第19回
聴力正常の3歳児。発達過程で自然治癒が期待できる構音はどれか。
a.[h]の省略
b.[b]の鼻音化
c.[s]の口蓋化
d.[i]の側音化
e.[s]の[t]への置換
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
3歳児の構音特性では、発達過程で生理的に出現しやすく、加齢とともに自然消失する「発達的な特徴」と、病理的で自然治癒が期待できない「異常な特徴」を区別することが重要です。a([h]の省略)とe([s]の[t]への置換)は、発達段階において一時的に見られる現象であり、加齢に伴う言語発達によって自然に改善されます。一方、b・c・dは習癖的・機能的な異常で、自然治癒が困難です。
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【各選択肢の解説】
a. [h]の省略
✅ 正しい。初語前後から2~3歳頃に見られる発達的な音の省略で、神経生理学的発達に伴い自然に消失します。「ママ」が「まま」など、音の復雑性が低い時期に生じる一時的現象です。
b. [b]の鼻音化
❌ 誤り。[b]が[m]に置換される現象ですが、これは習癖化しやすく、発達過程での自然治癒は困難です。口唇閉鎖機能の異常や習癖に基づく病理的構音障害として扱われます。
c. [s]の口蓋化
❌ 誤り。[s]が[∫](シ音)に聞こえる現象ですが、舌位置の習癖として固着しやすく、自然治癒は期待できません。矯正言語療法の対象となる典型的な機能性構音障害です。
d. [i]の側音化
❌ 誤り。[i]が側音として聴こえる現象で、舌の動きの習癖(側方への舌位置偏位)が根底にあり、自然治癒は困難です。言語療法による介入が必要な病理的特徴です。
e. [s]の[t]への置換
✅ 正しい。幼児期の[s]音習得は比較的遅く(通常4~5歳以降)、3歳では[t]での代用発話が一時的に見られます。発達に伴い自然に[s]音が分化・習得され、置換は消失します。
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【試験対策ポイント】
発達的な音の特徴 vs 病理的な構音障害の判別
| 特徴 | 発達的(自然治癒可能) | 病理的(自然治癒困難) |
|---|---|---|
| 音の省略(a) | ○ 初期段階で一時的 | ✗ |
| 鼻音化(b) | ✗ 習癖化しやすい | ○ |
| 口蓋化(c) | ✗ 固着化する | ○ |
| 側音化(d) | ✗ 習癖に基づく | ○ |
| 置換(e) | ○ 発達的遅延 | ✗ |
キーワード:
・音の省略:発達初期の生理的現象→自然治癒
・子音の置換:舌位置の習癖→固着化→言語療法適応
・3~4歳児の構音:[p][b][m]完成。[s][z]は4~5歳完成
・自然治癒の目安:習癖化・固着化していない段階まで