第20回 言語聴覚士国家試験 第11問
リハ医学第20回
脳血管障害のリハビリテーションで誤っているのはどれか。
- 1.早期離床が基本である。
- 2.片麻痺患者では早期から装具を用いて歩行練習を実施する。
- 3.脳梗塞患者では起立性低血圧に留意する。
- 4.片麻痺患者の階段昇降では麻痺側から昇る。 ✓
- 5.片麻痺患者の更衣では麻痺側から袖を通す。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 片麻痺患者の階段昇降では麻痺側から昇る。
脳血管障害患者の階段昇降において、「昇る時は健側から」「降りる時は麻痺側から」が原則です。4番は「麻痺側から昇る」と述べており、これは逆であるため誤りです。昇降時は体重を支える側から始めることで安全性と効率性を確保します。
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【各選択肢の解説】
1. 早期離床が基本である。
✅ 正しい。脳血管障害後のリハビリテーションにおいて、早期離床は廃用症候群の予防、循環機能の改善、精神的動機づけなどの観点から最も重要な原則です。発症直後から主治医の指示の下で段階的な離床が進められます。
2. 片麻痺患者では早期から装具を用いて歩行練習を実施する。
✅ 正しい。装具(AFO:足関節装具など)は麻痺側下肢の不安定性を補正し、早期からの安全な歩行獲得を促進します。これにより転倒リスクを低減し、より積極的な機能訓練が可能になります。
3. 脳梗塞患者では起立性低血圧に留意する。
✅ 正しい。脳梗塞患者は臥床期間が長い場合や自律神経機能が障害された場合に、起立時の血圧低下を経験しやすいです。起立性低血圧は転倒や再発の危険因子となるため、徐々に体位を変える、十分な時間をかけて起立するなどの対策が必要です。
4. 片麻痺患者の階段昇降では麻痺側から昇る。
❌ 誤り。正しくは「昇る時は健側から昇り、降りる時は麻痺側から降りる」です。昇る時に麻痺側から始めると、麻痺側の脚力不足により体重支持ができず転倒リスクが高まります。昇降動作は常に強い側(健側)から開始することが安全原則です。
5. 片麻痺患者の更衣では麻痺側から袖を通す。
✅ 正しい。更衣は「着衣時は麻痺側から」「脱衣時は健側から」が原則です。麻痺側から袖を通すことで、健側の代償機能を最大限に活用でき、麻痺側の可動性が制限された状態でも効率的に衣類を装着できます。
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【試験対策ポイント】
階段昇降と更衣の「正逆」パターンを区別することが重要です:
| 動作 | 昇・着衣時 | 降・脱衣時 |
|---|---|---|
| 階段昇降 | 健側から昇る | 麻痺側から降りる |
| 更衣 | 麻痺側から袖を通す | 健側から脱ぐ |
【理論的根拠】
- 昇る・着る:「強い側(健側)が主導権を持つ」ルール
- 降りる・脱ぐ:「弱い側(麻痺側)を先に処理する」ルール
【紛らわしいポイント】
受験生は「麻痺側から始める」という統一ルールを想像しやすいですが、実際にはタスク(昇降 vs 更衣)によって論理が異なります。階段昇降では「上昇時に体重を支える必要がある」という物理的制約が最優先されることに注意。