第20回 言語聴覚士国家試験 第12問
リハ医学第20回
症状と治療との組合わせで誤っているのはどれか。
- 1.関節拘縮 ― 他動運動
- 2.筋力低下 ― 等尺運動
- 3.急性炎症 ― 温熱療法 ✓
- 4.顔面麻痺 ― マッサージ
- 5.運動麻痺 ― バイオフィードバック
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 急性炎症 ― 温熱療法
急性炎症期は組織の炎症・浮腫が活発に進行しており、温熱療法は血流を促進して炎症反応をさらに悪化させるため禁忌です。急性期には冷却療法(アイシング)が原則であり、温熱療法は炎症が沈静化した亜急性~慢性期以降に用いられます。
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【各選択肢の解説】
1. 関節拘縮 ― 他動運動
✅ 正しい。関節拘縮は関節の動く範囲が制限された状態であり、自力では動かせないため、セラピストが外部から関節を動かす他動運動がリハビリテーションの基本です。血流改善・組織の伸張性回復を促します。
2. 筋力低下 ― 等尺運動
✅ 正しい。筋力低下に対して、等尺運動(筋長不変のまま収縮する運動)は安全で効果的です。関節を動かさないため痛みが少なく、神経筋再教育や筋活動の促通に有用です。
3. 急性炎症 ― 温熱療法
❌ 誤り。急性炎症期に温熱療法は禁忌です。温熱は血管拡張・血流増加を招き、炎症・浮腫・痛みを増悪させます。急性期の正しい対応は冷却療法(RICE処置:Rest・Ice・Compression・Elevation)です。
4. 顔面麻痺 ― マッサージ
✅ 正しい。顔面麻痺(末梢性顔面神経麻痺など)に対してマッサージは、顔面筋の拘縮予防・血流促進・神経回復促進に有効です。特に発症初期から積極的に行われます。
5. 運動麻痺 ― バイオフィードバック
✅ 正しい。バイオフィードバック(筋電図や視覚的フィードバック)は、麻痺筋の筋活動を患者に認識させ、神経筋再教育と随意性制御の回復を促します。脳卒中後の運動麻痺リハに頻用されます。
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【試験対策ポイント】
温熱療法の禁忌時期
| 時期 | 症状 | 推奨療法 | 温熱療法 |
|---|---|---|---|
| 急性期 | 炎症・浮腫・発熱 | 冷却療法(アイシング) | ❌ 禁忌 |
| 亜急性期 | 炎症軽減・痛み残存 | 温冷交代浴 | △ 慎重 |
| 慢性期 | 拘縮・筋硬度↑ | 温熱療法 | ✅ 推奨 |
リハ医学でのセラピューティック対応
- 拘縮→他動運動(可動域拡大)
- 筋力低下→等張運動または等尺運動
- 筋萎縮→抵抗運動(等張性)
- 神経再教育→バイオフィードバック・促通手技
- 循環障害→温熱療法(慢性期)
- 麻痺筋の拘縮予防→マッサージ・ストレッチ