STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第111問

聴覚系第20回
ツチ骨を示す。鼓膜に接する部位はどれか。【別図あり】
  1. 1.A
  2. 2.B
  3. 3.C
  4. 4.D
  5. 5.E ✓
第20回第111問 図

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — E ツチ骨の柄(つち)が鼓膜に接する部位です。ツチ骨は耳小骨の中で最も側方に位置し、その柄が鼓膜の内面中央部(鼓膜の緊張部)に付着して接しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. A ❌ 誤り。ツチ骨の頭部と考えられます。ツチ骨の頭部は鼓膜には接せず、キヌタ骨と関節を形成する部位です。 2. B ❌ 誤り。ツチ骨の頸部と考えられます。頸部は頭部と柄をつなぐ細くくびれた部分で、鼓膜には接しません。 3. C ❌ 誤り。ツチ骨の前突起と考えられます。前突起は小さな突出部で、前靱帯によって鼓膜張筋溝に固定されますが、鼓膜には直接接しません。 4. D ❌ 誤り。ツチ骨の後突起と考えられます。後突起も同様に鼓膜に接する部位ではなく、後靱帯で固定されます。 5. E ✅ 正しい。ツチ骨の柄(マレウスの柄)です。柄は鼓膜内面の中央部(緊張部)に付着し、鼓膜を内側に引き込む形で接しています。この接着点は耳鏡検査で「柄の影」として観察される重要な解剖学的ランドマークです。 --- 【試験対策ポイント】 耳小骨の解剖学的構造 ツチ骨の各部位の役割と位置関係: | 部位 | 名称 | 隣接構造 | 機能 | |---|---|---|---| | 頭部 | Malleus head | キヌタ骨と関節 | 運動の起点 | | 頸部 | Malleus neck | 頭部と柄をつなぐ | 可動性の軸 | | 柄(重要) | Malleus handle | 鼓膜内面に付着 | 鼓膜振動の受け取り | | 前突起 | Anterior process | 鼓膜張筋溝 | 靱帯付着 | | 後突起 | Posterior process | 後靱帯 | 固定・安定化 | 耳鏡検査での重要なランドマーク: - 柄の影:鼓膜中央から上方への放射状の影 - 光反射:鼓膜緊張部の前下方に見られる - この2つで正常鼓膜の確認が可能 臨床的に重要: - 鼓膜穿孔や中耳炎の際、柄の位置が変わると聴力に影響 - ツチ骨柄の固着化→伝音難聴の原因の一つ - 耳小骨連鎖離断でツチ骨とキヌタ骨が分離すると伝音難聴が生じる
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