第27回 言語聴覚士国家試験 第22問
聴覚系第27回
ティンパノメトリーでAd型を示す病態はどれか。
- 1.耳管の狭窄
- 2.耳小骨連鎖の離断 ✓
- 3.アブミ骨底版の固着
- 4.鼓室内の浸出液貯留
- 5.鼓膜と鼓室岬角との癒着
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 耳小骨連鎖の離断
ティンパノメトリーAd型は「高コンプライアンス(admittance高値)」を示す病態です。耳小骨連鎖が離断すると、鼓膜が自由に動くようになり、正常よりも動きやすくなるため、コンプライアンスが著しく増加します。これがAd型の特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 耳管の狭窄
❌ 誤り。耳管の狭窄は鼓室内の圧が負になり、ティンパノメトリーAd型(尖鋭で右方にシフト)またはB型(平坦)になります。Ad型(高コンプライアンス)にはなりません。
2. 耳小骨連鎖の離断
✅ 正しい。耳小骨連鎖が離断すると、ハンマー骨・キヌタ骨・アブミ骨の連続性が失われ、鼓膜が制動を受けなくなり「超過可動性」となります。その結果、コンプライアンスが著しく高まり、Ad型(高コンプライアンス)を示します。
3. アブミ骨底版の固着
❌ 誤り。アブミ骨底版の固着(耳硬化症)は、内耳への骨導音伝達が阻害されるため、コンプライアンスが低下してA型(狭小化)またはAs型(低コンプライアンス)になります。Ad型ではありません。
4. 鼓室内の浸出液貯留
❌ 誤り。鼓室内の浸出液貯留は鼓膜・耳小骨の運動が阻害されるため、コンプライアンスが低下してB型(平坦)またはC型(陰圧)になります。Ad型にはなりません。
5. 鼓膜と鼓室岬角との癒着
❌ 誤り。鼓膜と鼓室岬角との癒着は鼓膜の局所的な動きが制限されるため、全体的なコンプライアンスは低下傾向を示し、A型またはAs型になりやすく、Ad型にはなりません。
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【試験対策ポイント】
ティンパノメトリー分類と対応病態
| 型 | コンプライアンス | 圧 | 主な対応病態 |
|---|---|---|---|
| A型 | 正常(0.3〜0.85mL) | 正常(±100daPa以内) | 正常耳 |
| As型 | 低下(<0.3mL) | 正常 | 耳硬化症、鼓膜硬化、加齢 |
| Ad型 | 高度に増加(>0.85mL) | 正常 | **耳小骨連鎖の離断、鼓膜穿孔** |
| B型 | 平坦(反応なし) | 陰圧 | 鼓室内浸出液、耳管狭窄 |
| C型 | 平坦(反応なし) | 陰圧(強い) | 耳管開放不全 |
キーポイント
- Ad型の「d」= admittance(アドミッタンス)= 易動性が高い = コンプライアンス増加
- 耳小骨連鎖の離断が最大の特徴病態
- 鼓膜穿孔もAd型を示す(鼓膜がより自由に動く)
- アブミ骨底版固着(耳硬化症)はAs型、決してAd型ではない(頻出誤選択)