STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第27回 言語聴覚士国家試験 第21問

聴覚系第27回
アブミ骨筋の支配神経はどれか。
  1. 1.三叉神経
  2. 2.外転神経
  3. 3.顔面神経 ✓
  4. 4.迷走神経
  5. 5.舌下神経

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 顔面神経 アブミ骨筋(鐙骨筋)は中耳の耳小骨連鎖の1つであり、顔面神経(第Ⅶ脳神経)の枝である鼓索神経から分枝した神経によって支配されます。アブミ骨筋反射(stapes reflex)は音响刺激に対する脳幹反射であり、その遠心路として顔面神経が機能するため、臨床的にも重要な知識です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 三叉神経 ❌ 誤り。三叉神経(第Ⅴ脳神経)は顔面の感覚と咀嚼筋の運動を支配します。アブミ骨筋は三叉神経の支配下にありません。 2. 外転神経 ❌ 誤り。外転神経(第Ⅵ脳神経)は外直筋を支配し、眼球の外転運動に関わります。中耳の構造物支配とは無関係です。 3. 顔面神経 ✅ 正しい。顔面神経は鼓索神経を通じてアブミ骨筋を支配します。アブミ骨筋反射の求心路は三叉神経で、遠心路が顔面神経となります。 4. 迷走神経 ❌ 誤り。迷走神経(第Ⅹ脳神経)は副咽頭・喉頭・咽頭の運動と感覚、および内臓自律神経機能を支配します。中耳の耳小骨は支配しません。 5. 舌下神経 ❌ 誤り。舌下神経(第Ⅻ脳神経)は舌筋を支配する運動神経です。アブミ骨筋の支配とは関連がありません。 --- 【試験対策ポイント】 耳小骨連鎖と神経支配の対応関係: | 耳小骨 | 筋肉名 | 支配神経 | 補足 | |---|---|---|---| | ハンマー骨 | 鼓膜張筋 | 三叉神経(V3) | 咀嚼神経の枝 | | アブミ骨 | アブミ骨筋 | 顔面神経(VII) | 鼓索神経経由 | 中耳反射(Acoustic Reflex)の神経ルート: - 求心路(感覚):三叉神経の枝 - 脳幹中枢:顔面神経運動核付近 - 遠心路(運動):顔面神経 → アブミ骨筋収縮 - 機能:大きな音から内耳を保護する減衰作用(30dB程度) 紛らわしいポイント: 「アブミ骨筋」と「鼓膜張筋」は中耳を支配する2つの筋肉だが、支配神経が異なる(顔面神経 vs 三叉神経)。鼓膜張筋は咀嚼神経に含まれることで区別できます。
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