STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第125問

認知心理学第20回
忘却に関するEbbinghaus,H.の研究に関係するのはどれか。 a.無意味つづり b.系列初頭効果 c.分散学習 d.感覚記憶 e.再学習法・節約率 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e Ebbinghaus(エビングハウス)は19世紀に自身を被験者として記憶の忘却過程を実験的に研究しました。彼は「忘却曲線」を発見し、無意味つづりを学習材料として使用し、再学習法・節約率という測定方法を開発しました。この研究は記憶心理学の基礎となっています。 --- 【各選択肢の解説】 a. 無意味つづり ✅ 正しい。Ebbinghaus は意味による連想を排除するため、意味を持たない三文字の音の組み合わせ(例:BAK、DAX)を学習材料として使用しました。これにより純粋な記憶メカニズムを測定できたとされています。 b. 系列初頭効果 ❌ 誤り。系列初頭効果(primacy effect)は「リスト前半の項目がよく思い出される」という現象で、これはMiller や Glanzer・Cunitz などが後に研究したものです。Ebbinghaus の主要な関心事ではありません。 c. 分散学習 ❌ 誤り。分散学習(distributed practice)は学習間隔を空ける学習法で、集中学習との比較研究は後年のメタ認知研究で重視されました。Ebbinghaus は忘却曲線自体に焦点を当てており、学習方法の効率性の比較研究ではありません。 d. 感覚記憶 ❌ 誤り。感覚記憶(sensory memory)はAtkinson & Shiffrin などが提唱した情報処理モデルの概念です。Ebbinghaus の時代(1880年代)にはこのような認知的枠組みが存在せず、彼の研究対象ではありません。 e. 再学習法・節約率 ✅ 正しい。Ebbinghaus は学習後の時間経過に伴う「忘却量」を測定するため、再学習に必要な試行数削減の割合を「節約率」として計算しました。この方法により、忘却曲線(24時間後に約56%を忘却)という重要な法則を導き出しました。 --- 【試験対策ポイント】 | 項目 | Ebbinghaus研究の特徴 | |---|---| | 被験者 | 自身のみ(n=1の内省法) | | 学習材料 | 無意味つづり(意味の影響排除) | | 測定方法 | 再学習法・節vanjohnplete率 | | 主要発見 | 忘却曲線(時間経過で指数関数的に忘却) | | 時代 | 1880年代(認知心理学の古典) | キーワード: - Ebbinghaus = 忘却曲線の発見者 - 無意味つづり = 学習材料の統制方法 - 節約率 = 忘却量の定量測定「(元の学習試行数−再学習試行数)/ 元の学習試行数 × 100%」 - ※後発のメタ認知概念(系列初頭効果・感覚記憶・分散学習)と混同しやすい
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