第20回 言語聴覚士国家試験 第140問
音響学第20回
東京方言の成人男性話者による狭帯域サウンドスペクトグラムを示す。対応する組み合わせはどれか。【別図あり】
- 1.A「橋が」 ― B「飴が」
- 2.A「箸が」 ― B「雨が」
- 3.A「箸が」 ― B「飴が」 ✓
- 4.A「雨が」 ― B「橋が」
- 5.A「飴が」 ― B「箸が」
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — A「箸が」 — B「飴が」
東京方言の高さアクセント体系では、「箸」(LH型:低高)と「飴」(HH型:高高)が異なるピッチパターンを示します。狭帯域スペクトログラムでは、基本周波数(F0)の変化が縦の周期パターン(ストライエーション)の密度で視覚化され、高いピッチほど周期が密になります。「飴」は「箸」よりもピッチが全体的に高く維持されるため、スペクトログラム上でより密なストライエーションパターンを示すことが識別のポイントです。
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【各選択肢の解説】
1. A「橋が」 — B「飴が」
❌ 誤り。「橋」は東京方言でHH型アクセント(高高)であり、「飴」と同じアクセント型です。異なる語を対応させているため正答ではありません。
2. A「箸が」 — B「雨が」
❌ 誤り。「雨」は東京方言でHL型アクセント(高低)で、「飴」(HH型)とは異なります。問題設定では「飴」と「箸」を区別することが求められています。
3. A「箸が」 — B「飴が」
✅ 正しい。「箸」はLH型(低高)で、「飴」はHH型(高高)です。スペクトログラムではAが低いピッチで始まり上昇する様子、Bが初めから高く維持される様子が明確に区別できます。
4. A「雨が」 — B「橋が」
❌ 誤り。「雨」はHL型、「橋」はHH型で、求められている「箸」と「飴」の区別ではありません。
5. A「飴が」 — B「箸が」
❌ 誤り。「飴」と「箸」の組み合わせは正しいですが、順序が逆です。Aが高高パターンを示すのであれば「飴」、Aが低高パターンを示すのであれば「箸」となるため、スペクトログラムの実際のパターンとの対応を確認する必要があります。
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【試験対策ポイント】
東京方言の2拍名詞アクセント体系:
| 語 | アクセント型 | ピッチパターン |
|---|---|---|
| 箸 | LH(1型) | 低→高(上昇) |
| 飴 | HH(0型) | 高→高(平坦高) |
| 橋 | HH(0型) | 高→高(平坦高) |
| 雨 | HL(2型) | 高→低(下降) |
スペクトログラムでのピッチ視認ポイント:
- 高いピッチ=基本周波数が高い=ストライエーションが密
- 低いピッチ=基本周波数が低い=ストライエーションが疎
- 上昇傾向=ストライエーション密度が徐々に密になる
- 下降傾向=ストライエーション密度が徐々に疎になる
「箸」「橋」「飴」「雨」の4語は東京方言アクセント学習の頻出題です。必ずアクセント型と音韻的特性をセットで習得してください。