第20回 言語聴覚士国家試験 第142問
言語学第20回
「が」が動作主を表しているのはどれか。
- 1.花子はリンゴが食べたい。
- 2.太郎は中国語が分かる。
- 3.花子は英語が話せる。
- 4.太郎は足が速い。
- 5.荷物は花子が送った。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 荷物は花子が送った。
「が」は複数の文法機能を持ちますが、この問題では「が」が「動作主(誰が・何が)」を表す場合を問うています。5番では「花子が送った」の「が」は、荷物を送るという動作を実行した人物(動作主)を明確に指しており、これが「が」の本質的な用法です。
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【各選択肢の解説】
1. 花子はリンゴが食べたい。
❌ 誤り。「が」は主語を表していますが、これは「心理主」(心理状態の主体者)です。「食べたい」という願望は花子の心理状態であり、動作主ではありません。「が」が動作の実行者を表す用法ではないため不適切です。
2. 太郎は中国語が分かる。
❌ 誤り。「が」は「被験者」(経験者・対象)を表しています。「分かる」「できる」「見える」など心理的・感覚的状態を表す述語では、「が」は能力や状態の対象を示し、動作主ではありません。
3. 花子は英語が話せる。
❌ 誤り。「が」は「能力の対象」を表しています。「話せる」は能力や技能を示す述語であり、「が」は話す対象(英語)を指しており、動作主ではなく「対象・客体」です。
4. 太郎は足が速い。
❌ 誤り。「が」は「属性・特性の対象」を表しています。「速い」は形容詞で性質や特徴を示す述語であり、「が」は速さの対象(足)を示す指標であって、動作主ではありません。
5. 荷物は花子が送った。
✅ 正しい。「が」は「動作主」を明示する用法です。「送った」という動作を実行したのは「花子」であり、誰がその行為を行ったかを示しています。主題(は)と動作主(が)が異なる文構造で、「が」の動作主表現が最も明確に現れます。
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【試験対策ポイント】
「が」の文法機能:5つの使い分け
| 用法 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 動作主 | 動作・行為の実行者 | 花子が送った ✓ |
| 心理主 | 心理状態・感情の主体者 | リンゴが食べたい |
| 被験者 | 能力・感覚の経験者 | 中国語が分かる |
| 対象 | 述語の対象・客体 | 英語が話せる |
| 属性対象 | 性質・特徴の対象 | 足が速い |
**キーポイント:主題「は」と動作主「が」の関係**
- 「は」と「が」が異なる名詞に付く場合、「が」は動作主を表す可能性が高い
- 「~は」「~が」という2つの助詞がある文は、主題と動作主を区別する構文
- 「~ができる」「~が見える」などは「対象」を表し、動作主ではない
**頻出:混同しやすい対比**
- 「私が走った」(動作主)vs「私は走りたい」(心理主)
- 「田中が分かる」(被験者)vs「田中が分かった」(動作主=理解する行為の実行者)