STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第151問

言語聴覚障害総論第20回
コミュニケーション障害に対するAACにおいて「拡大」に該当するのはどれか。
  1. 1.VOCA
  2. 2.補聴器 ✓
  3. 3.点字プリンター
  4. 4.電気式人工喉頭
  5. 5.スクリーンリーダー(音声読み上げソフト)

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 補聴器 AACにおける「拡大(augmentative)」は、残存機能を活用して従来のコミュニケーション手段を補完・強化する支援を指します。補聴器は難聴者の聴覚機能を拡大することで、音声言語によるコミュニケーションを実現する支援機器です。一方、他の選択肢は「代替(alternative)」機能を持ち、失われた機能を全く異なる方法で代替しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. VOCA(Voice Output Communication Aid) ❌ 誤り。音声出力機能を持つコミュニケーション支援機器であり、音声言語を全く発することができない利用者のために、従来のコミュニケーション手段そのものを「代替」する機器です。拡大ではなく代替に分類されます。 2. 補聴器 ✅ 正しい。難聴者の残存聴覚を活用して音を増幅し、従来の音声言語によるコミュニケーション手段を強化・補完します。機能喪失ではなく機能向上を目的とするため「拡大」に該当します。 3. 点字プリンター ❌ 誤り。視覚障害者が文字情報にアクセスするための代替手段です。視覚を失った機能を全く異なる感覚(触覚)で補うため「代替」に分類されます。 4. 電気式人工喉頭 ❌ 誤り。喉頭摘出患者など音声産生機能を失った者のために、音源を提供して「代替」的に音声言語を獲得させる機器です。拡大ではなく代替の機能を持ちます。 5. スクリーンリーダー(音声読み上げソフト) ❌ 誤り。視覚障害者がコンピューター上のテキスト情報を音声で取得するための「代替」手段です。失われた視覚機能を聴覚で補うため、代替に分類されます。 --- 【試験対策ポイント】 AACの分類 | AAC区分 | 定義 | 目的 | 例 | |---|---|---|---| | **拡大(Augmentative)** | 残存機能を強化・補完 | 機能の向上 | 補聴器、ルーペ、拡大鏡 | | **代替(Alternative)** | 失われた機能を別の方法で実現 | 機能の代償 | VOCA、人工喉頭、点字、スクリーンリーダー | キーワード - 拡大=「活かす」「補強」「増幅」 - 代替=「代わる」「全く新しい手段」「喪失機能の補償」 - 補聴器は聴力を失った人が「音声言語コミュニケーション」を実現させるために、残存聴覚を拡大するもの 紛らわしい点 - 補聴器は障害者向けではあるが、本人の機能を「引き上げる」ため拡大に分類される - スクリーンリーダーは「障害者支援」と見えるが、視覚機能そのものを代替するため代替機器
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