第28回 言語聴覚士国家試験 第54問
言語聴覚障害総論第28回
スクリーニング検査はどれか。
a.MMSE-J
b.失語症語彙検査
c.新版K式発達検査 2020
d.<S-S法>言語発達遅滞検査
e.反復唾液嚥下テスト (RSST)
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,b
**スクリーニング検査**は、対象者を含む比較的多くの人口層に対して簡便に実施でき、障害の有無を短時間で判定するための検査を指します。本問では「MMSE-J」と「反復唾液嚥下テスト(RSST)」がスクリーニング検査に該当します。一方、その他の選択肢は確定診断や詳細な能力評価を目的とした**精密検査**です。
---
【各選択肢の解説】
**a. MMSE-J(ミニメンタルステート検査・日本版)**
✅ スクリーニング検査。認知機能(見当識・記銘・計算・言語など)の全般的な低下を約10分で簡便に判定します。認知症・脳血管障害後の認知機能をスクリーニングする際の標準的ツールで、カットオフ値23/24点で認知障害の有無を判別します。
**b. 失語症語彙検査**
❌ 失語症患者の**語彙能力を詳細に評価**する精密検査です。呼称・指示に従う能力などを測定し、失語症のタイプと重症度を確定診断するために用いられます。患者全員に実施する段階的検査(失語症言語検査「SLTA」に含まれる)であり、スクリーニングには該当しません。
**c. 新版K式発達検査 2020**
❌ **詳細な発達診断のための精密検査**です。姿勢・運動・認知・社会性・言語など複数領域を多項目評価し、発達指数を算出します。実施に20〜30分を要し、1対1での対面評価が必須で、スクリーニング検査の定義(簡便・迅速)には合致しません。
**d. S-S法言語発達遅滞検査**
❌ 言語発達の詳細な遅滞パターン(理解・表出・構音など)を**段階的に診断する精密検査**です。実施・採点に時間を要し、発達遅滞の確定診断用として設計されており、集団スクリーニングには向きません。
**e. 反復唾液嚥下テスト(RSST)**
✅ スクリーニング検査。嚥下障害の有無を30秒間の連続唾液嚥下数で迅速に判定します。正常=3回以上、≦2回で嚥下障害ありと判定。VF(嚥下造影)・VE(嚥下内視鏡)という精密検査へのゲートキーパー役を担い、ベッドサイドで実施可能です。
---
【試験対策ポイント】
**スクリーニングか精密検査かの区別:重要な分類軸**
| 特徴 | スクリーニング検査 | 精密検査 |
|---|---|---|
| 目的 | 障害の有無の迅速判定 | 障害の詳細な確定診断・評価 |
| 実施時間 | 5〜15分程度 | 20分以上(30〜60分) |
| 対象 | 集団または全患者層 | 障害が疑われた者 |
| 難易度 | 簡便・非侵襲的 | 複雑・詳細項目多い |
| 用語 | ゲートキーパー(門番) | ゴールドスタンダード(診断確定) |
**MMSE-Jの位置づけ**
- 認知症スクリーニングの国際標準。MoCA-Jなど他のツールと併用される場合もあります
- **「見当識(日時・場所・人物)」が10/30点を占める**のが特徴で、時間軸認識障害が著明な患者では感度が高い
**RSSVの優位性**
- **体位・嚥下回数で