STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第152問

言語聴覚障害総論第20回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.無喉頭 ― 話しことば(speech)の障害
  2. 2.吃 音 ― 話しことば(speech)の障害
  3. 3.環境音失認 ― 言語(language)の障害 ✓
  4. 4.ジャルゴン ― 言語(language)の障害
  5. 5.言語明瞭度低下 ― 聞こえ(hearing)の低下

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 環境音失認 ― 言語(language)の障害 環境音失認は言語機能の障害ではなく、非言語音(環境音)を認識・理解できない聴覚認知障害です。言語と聞こえの分類では「聞こえ(hearing)の障害」に該当します。一方、他の選択肢はすべて正しい対応関係を示しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 無喉頭 ― 話しことば(speech)の障害 ✅ 正しい。喉頭を失った状態は、音声生成機構の器質的喪失であり、話しことば(speech)の障害です。代替音声の獲得が言語聴覚士の重要な支援対象となります。 2. 吃 音 ― 話しことば(speech)の障害 ✅ 正しい。吃音は流暢性障害で、話しことば(speech)の産出レベルの障害です。言語体系(language)の理解・表現は正常です。 3. 環境音失認 ― 言語(language)の障害 ❌ 誤り。環境音失認は音声言語ではなく、環境音(犬の鳴き声・雨音など)の認識障害です。聴覚皮質(優位半球の上側頭回)の障害により、聞こえ(hearing)の問題として分類されるべき聴覚認知障害です。 4. ジャルゴン ― 言語(language)の障害 ✅ 正しい。ジャルゴンは意味不明な音韻列(「パラパラバー」など)で、Wernicke失語の特徴です。言語体系(semantics)レベルの障害です。 5. 言語明瞭度低下 ― 聞こえ(hearing)の低下 ✅ 正しい。感音難聴により高音域が聞き取れず、言語音の弁別が困難になり、言語明瞭度が低下します。これは聞こえ(hearing)の低下による二次的言語影響です。 --- 【試験対策ポイント】 speech・language・hearingの3軸定義 | 分類 | 定義 | 障害例 | |---|---|---| | speech(話しことば) | 音声産出の技能・流暢性 | 構音障害、吃音、無喉頭、声障害 | | language(言語) | 音韻・語彙・文法体系 | ジャルゴン、失語症、言語発達遅滞 | | hearing(聞こえ) | 音声知覚・聴覚受容 | 難聴、感音難聴に伴う言語明瞭度低下 | 環境音失認のポイント - 言語音ではなく非言語音の認識障害 - 聴覚皮質の障害(優位半球上側頭回) - 純音聴力は正常だが「意味理解」が障害される - 「失認」=感覚入力は正常だが認識できない状態 - language障害ではなくhearing領域の聴覚認知障害 頻出の誤分類パターン - 「失認」系:言語ではなく聴覚認知障害として考える - 「ジャルゴン」「新造語」:一見無意味だが言語体系レベルの障害
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