STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第177問

機能性構音障害第20回
目標語―表出音の組み合わせを示す。未熟構音の可能性が最も低いのはどれか。
  1. 1.ハッパ ― アッパ
  2. 2.チャワン ― タワン
  3. 3.シカク ― ヒカク ✓
  4. 4.サカナ ― シャカナ
  5. 5.ツクエ ― チュクエ

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — シカク ― ヒカク 未熟構音とは、発達段階で正常に見られる音韻体系の未成熟さに基づく構音障害です。ハ行音への置換は、口蓋化音(シャ・チャ・ジャ)の未分化に由来し、発達過程では一般的に見られません。一方、他の4選択肢は全て、幼児期の典型的な音韻発達段階における置換パターンです。 --- 【各選択肢の解説】 1. ハッパ ― アッパ ❌ 誤り。ハ行音をア行音に置換する現象は、幼児期の一般的な未熟構音です。特に語頭のハ行音は発達初期に音声化(ハ→ア)されることが多く、典型的な発達的置換パターンです。 2. チャワン ― タワン ❌ 誤り。口蓋化音チャをタに置換するパターンは、未熟構音の代表例です。チャ・シャなどの口蓋化音の習得は比較的遅く(3~4歳台)、それまではタ行への置換が正常な発達段階で見られます。 3. シカク ― ヒカク ✅ 正しい。シ(歯茎硬口蓋音)をヒ(両唇音)に置換することは、音韻体系の発達段階では通常起こらないパターンです。シ音の習得が遅い場合、サ行への置換(サカク)やスルスル音への置換は見られますが、ハ行への置換は音響的・音韻的な系統性がなく、未熟構音というより獲得後の変化や機能性構音障害の特徴を示唆します。 4. サカナ ― シャカナ ❌ 誤り。サをシャに置換する現象は、音韻の過度一般化(overgeneralization)によるもので、幼児期の未熟構音に含まれます。発達の過程で、音韻ルールを新しく習得した時点では、その適用範囲を過度に広げることが一般的です。 5. ツクエ ― チュクエ ❌ 誤り。ツをチュに置換するパターンは、未熟構音の典型例です。ツ(歯茎音)の習得が遅い幼児は、口蓋化音チュへの置換を経る発達経路が一般的で、多くの正常児に見られる現象です。 --- 【試験対策ポイント】 未熟構音:発達段階で正常に見られる置換パターン | 目標音 | 置換音 | 発達段階 | 説明 | |---|---|---|---| | ハ行 | ア行 | 2~3歳台 | 音声化(最も早期の置換) | | チャ・シャ | タ行 | 3~4歳台 | 口蓋化音の未習得 | | シ・ス | 様々 | 4~5歳台 | 歯茎音の習得が遅い | | ツ | チュ | 3~4歳台 | 歯茎音から口蓋音への過度一般化 | | サ | シャ | 3~4歳台 | 新習得音韻ルールの過度適用 | **置換が「系統的」か「非系統的」かが鑑別点** - 系統的置換(音響的・音韻的に関連がある)→未熟構音の可能性が高い - 非系統的置換(関連性が乏しい)→器質的原因や獲得後の変化の可能性 **シ→ヒという置換が非系統的な理由** シは歯茎硬口蓋音、ヒは両唇音で、調音位置・調音方法が全く異なる→発達的な音韻体系の単純な未
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