第20回 言語聴覚士国家試験 第26問
認知心理学第20回
第20回 言語聴覚士国家試験 第26問(認知心理学)の正答は 5 です。認知的不協和理論(Festinger)は、自分の態度・信念と矛盾する行動を取ったとき、その不快な緊張(不協和)を低減しようとして態度のほうを行動に合わせて変化させる、と説明する。
問題
認知的不協和音理論によって説明できるのはどれか。
- 1.ある対象に繰り返し摂触すると、その対象に対する好意が増す。
- 2.他者がある側面で望ましい特徴を持っていると、その側面への評価を当該人物の全体評価に拡張する。
- 3.複数の選択肢の中から一つを選ぶと、選んだ選択肢の魅力は低減し、選ばなかった選択肢の魅力は増大する。
- 4.生理的な興奮の原因が特定の他者であると誤って解釈し、その人物に対する好意が増す。
- 5.自分の態度に反した行動を取ると、その行動に合致する方向に態度が変化する。 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 自分の態度に反した行動を取ると、その行動に合致する方向に態度が変化する
認知的不協和理論(Festinger)は、自分の態度・信念と矛盾する行動を取ったとき、その不快な緊張(不協和)を低減しようとして態度のほうを行動に合わせて変化させる、と説明する。不十分な報酬で意に反した行動をした場面で態度変容が大きくなる「不十分な正当化」が代表例である。選択肢5はこの態度変容そのものを述べている。
【各選択肢の解説】
1. ある対象に繰り返し接触すると好意が増す
❌ 誤り。これは単純接触効果(Zajonc)であり、接触頻度が好意度を高める現象である。不協和の低減とは無関係で、態度の矛盾も生じていない。
❌ 誤り。これは単純接触効果(Zajonc)であり、接触頻度が好意度を高める現象である。不協和の低減とは無関係で、態度の矛盾も生じていない。
2. 他者の望ましい特徴を全体評価に拡張する
❌ 誤り。これはハロー効果(光背効果)で、一つの目立った特徴が他の側面の評価まで歪める認知バイアスである。対人認知の歪みであり、不協和理論では説明できない。
❌ 誤り。これはハロー効果(光背効果)で、一つの目立った特徴が他の側面の評価まで歪める認知バイアスである。対人認知の歪みであり、不協和理論では説明できない。
3. 選んだ選択肢の魅力が低減し、選ばなかった選択肢の魅力が増大する
❌ 誤り。決定後の不協和では実際には逆で、選んだ側の魅力が増し選ばなかった側が下がる(魅力の拡散)。記述が逆向きであり、不協和理論で説明できる現象になっていない。
❌ 誤り。決定後の不協和では実際には逆で、選んだ側の魅力が増し選ばなかった側が下がる(魅力の拡散)。記述が逆向きであり、不協和理論で説明できる現象になっていない。
4. 生理的興奮の原因を特定の他者と誤解し好意が増す
❌ 誤り。これは情動の誤帰属(吊り橋効果)で、生理的覚醒の原因を取り違える現象である。覚醒の帰属の問題であって認知的不協和ではない。
❌ 誤り。これは情動の誤帰属(吊り橋効果)で、生理的覚醒の原因を取り違える現象である。覚醒の帰属の問題であって認知的不協和ではない。
5. 自分の態度に反した行動を取ると行動に合致する方向に態度が変化する
✅ 正しい(=正答)。意に反した行動による不協和を、態度を行動側へ修正することで解消する典型的な記述である。強制承諾実験で示された態度変容そのものである。
✅ 正しい(=正答)。意に反した行動による不協和を、態度を行動側へ修正することで解消する典型的な記述である。強制承諾実験で示された態度変容そのものである。
【試験対策ポイント】
社会心理学の代表的現象は提唱者と一緒に整理すると区別しやすい。
| 現象 | 内容 | キーワード |
|---|---|---|
| 認知的不協和 | 矛盾を減らす方向に態度が変わる | Festinger・不十分な正当化 |
| 単純接触効果 | 接触頻度で好意が増す | Zajonc |
| ハロー効果 | 一特徴が全体評価に波及 | 光背効果 |
| 吊り橋効果 | 生理的覚醒の誤帰属 | 情動の二要因説 |
認知的不協和は「行動を変えられないとき態度のほうを変える」という方向性が核心である。矛盾→緊張→態度変容の流れを押さえれば、似た現象との取り違えを防げる。
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