第20回 言語聴覚士国家試験 第27問
認知心理学第20回
感覚的順応現象はどれか。
- 1.図地反転
- 2.運動残効 ✓
- 3.混 色
- 4.視誘導性自己運動知覚(ベクション)
- 5.両眼立体視
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 運動残効
運動残効は、一定方向の運動を長く見た後に、静止した物体がその反対方向に動いて見える現象です。これは視覚系が運動刺激に順応し、その後の知覚が変化する典型的な感覚的順応現象です。
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【各選択肢の解説】
1. 図地反転
❌ 誤り。図地反転は知覚の組織化現象であり、順応現象ではありません。同じ刺激に対して図と地の解釈が入れ替わる現象で、感覚系の馴化による変化ではなく、高次の知覚的処理です。
2. 運動残効
✅ 正しい。滝などの動く刺激を長時間見た後、静止した景色がその反対方向に動いて見える現象です。運動検出ニューロンが持続的な刺激に適応し、その後の応答が変化する感覚的順応の典型例です。
3. 混色
❌ 誤り。混色は異なる波長の光が混合したとき知覚される色のことで、色の加法混合や減法混合に関する現象です。順応現象ではなく、基本的な色覚メカニズムです。
4. 視誘導性自己運動知覚(ベクション)
❌ 誤り。ベクションは、視野全体の動きにより自分自身が動いていると知覚される現象です。順応ではなく、視覚と前庭感覚の相互作用による動きの知覚です。
5. 両眼立体視
❌ 誤り。両眼立体視は両眼視差を利用した奥行知覚のメカニズムです。順応現象ではなく、立体視の基本的な仕組みです。
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【試験対策ポイント】
感覚的順応現象の分類
| 現象 | 定義 | 刺激特性 |
|---|---|---|
| 運動残効 | 運動刺激への馴化→反対運動の幻視 | 動く刺激への適応 |
| 色順応 | 特定色への馴化→補色知覚 | 単色光への長時間露出 |
| 明順応・暗順応 | 照度変化への眼の適応 | 明るさ変化 |
| 触覚順応 | 一定圧刺激の感覚低下 | 持続的接触刺激 |
頻出 混同しやすい概念
運動残効 ≠ ベクション
→ 運動残効:外界の物体が「動いて見える」(見かけの運動)
→ ベクション:自分自身が「動いている」と知覚(自己運動知覚)
認知心理学で「順応」= 感覚器や神経回路が持続的刺激に対して反応低下