STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第28問

認知心理学第20回
演繹的推論によって解決されるのはどれか。
  1. 1.心的回転
  2. 2.誤信念課題
  3. 3.3つ山問題
  4. 4.4枚カード問題 ✓
  5. 5.語彙判断課題

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 4枚カード問題 4枚カード問題は、論理的推論(演繹的推論)の能力を測定する典型的な認知心理学の課題です。与えられた論理規則(「Aであれば、Bである」)に基づいて、どのカードを裏返すべきかを論理的に推論する必要があり、演繹的推論のプロセスそのものが問われます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 心的回転 ❌ 誤り。心的回転は、心理的な画像操作(メンタルイメージの回転)を必要とする空間認知課題です。演繹的推論ではなく、視空間認知能力を測定します。Shepardの研究が有名です。 2. 誤信念課題 ❌ 誤り。誤信念課題(Sally-Anne課題など)は、他者の心的状態(信念・意図)を理解する能力、すなわち心の理論(ToM)の発達段階を測定します。演繹的推論とは異なるメタ認知能力です。 3. 3つ山問題 ❌ 誤り。3つ山問題はPiagetの古典的課題で、自分とは異なる視点から世界を認識する能力(脱中心化)を測定します。演繹的推論ではなく、具体的操作期への認知発達段階を評価します。 4. 4枚カード問題 ✅ 正しい。4枚カード問題(Wasonの選択課題)は、「Aであれば、Bである」という条件文が真か偽かを判定するため、どのカードを裏返すべきかを論理的に推論する課題です。典型的な演繹的推論の例です。 5. 語彙判断課題 ❌ 誤り。語彙判断課題(Lexical Decision Task)は、提示された文字列が実在する単語か非語か(「tree」か「tref」か)を素早く判定する課題です。言語処理と反応時間を測定し、演繹的推論を測定しません。 --- 【試験対策ポイント】 認知心理学の代表的課題と測定能力の整理: | 課題名 | 測定能力 | 特徴 | |---|---|---| | 4枚カード問題 | 演繹的推論 | 論理規則に基づいた推論判定 | | 心的回転 | 空間認知・心理的イメージ操作 | メンタルイメージの角度回転 | | 誤信念課題 | 心の理論(ToM) | 他者の信念理解(発達段階)3〜4歳 | | 3つ山問題 | 脱中心化・視点取得 | Piaget・具体的操作期(7〜11歳) | | 語彙判断課題 | 言語処理速度 | 単語性判定と反応時間測定 | **重要:演繹的推論とは** 与えられた前提(ルール)から確実に導き出される結論に至るプロセス。4枚カード問題は「もし前提が真なら、どのカードが規則を満たすか」を論理的に判定する典型的な演繹推論課題です。
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