第20回 言語聴覚士国家試験 第31問
精神医学第20回
DSM-5における強迫症╱強迫性障害について正しいのはどれか。
- 1.繰り返される持続的な思考、衝動、イメージを体験することによって、強い不安や苦痛を感じる。 ✓
- 2.他者の注視を浴びる可能性のある社交場面に対して著しい恐怖や不安を感じる。
- 3.繰り返される予期しないパニック発作が生じる。
- 4.妄想や幻覚、まとまりのない発語、陰性症状が存在する。
- 5.気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的になる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 繰り返される持続的な思考、衝動、イメージを体験することによって、強い不安や苦痛を感じる。
DSM-5における強迫症の診断基準は、執着(obsession)と強迫行為(compulsion)の両者またはいずれかが存在し、著しい苦痛や機能障害をもたらすことが中核です。選択肢1は執着の特徴を正確に記述しており、強迫症の本質的な症状を定義しています。
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【各選択肢の解説】
1. 繰り返される持続的な思考、衝動、イメージを体験することによって、強い不安や苦痛を感じる。
✅ 正しい。これはDSM-5における強迫症の執着の定義そのものです。繰り返される侵入的思考(汚染・危害・対称性など)が認識されながら続き、不安や苦痛が生じます。強迫行為(手洗い・確認など)はこの不安を軽減する試みです。
2. 他者の注視を浴びる可能性のある社交場面に対して著しい恐怖や不安を感じる。
❌ 誤り。これは社交不安症(社交恐怖症)の定義です。他者の評価や注視への過度な恐怖が特徴で、強迫症とは異なる疾患です。強迫症の不安は執着内容(汚染など)に関連します。
3. 繰り返される予期しないパニック発作が生じる。
❌ 誤り。これはパニック症の診断基準です。予期しないパニック発作の反復と、それに伴う避行行動が特徴です。強迫症ではパニック発作は診断に必須ではありません。
4. 妄想や幻覚、まとまりのない発語、陰性症状が存在する。
❌ 誤り。これは統合失調症の症状です。陽性症状(妄想・幻覚)と陰性症状(無動機性・感情平板化)が特徴です。強迫症では患者は通常、自分の思考が非合理であることを認識しており、妄想ではありません。
5. 気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的になる。
❌ 誤り。これは双極性障害(躁エピソード)の特徴です。異常に高揚した気分、過剰な活動、判断障害が見られます。強迫症では気分は抑うつ的になることはありますが、躁的高揚は特徴的ではありません。
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【試験対策ポイント】
DS-5における強迫症の要素
| 要素 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 執着(obsession) | 侵入的な思考・衝動・イメージ | 繰り返され、著しい不安を招く |
| 強迫行為(compulsion) | 執着への応答行動 | 不安軽減が動機(儀式的) |
| 病識 | 認識状況 | 通常は良好(妄想ではない) |
| 機能障害 | 日常生活への影響 | 著しい苦痛または機能障害を必須 |
他の精神疾患との鑑別ポイント
社交不安症:他者の評価への恐怖(場面恐怖)/強迫症:執着内容への恐怖(汚染など)
パニック症:予期しない発作+予期不安/強迫症:特定の内容への執着+強迫行為
統合失調症:妄想で患者は確信/強迫症:執着は不合理と認識
双極性障害:気分が異常高揚+判断障害/強迫症:気分は正常~抑うつ的
強迫症の代表的な執着内容
汚染恐怖→過度な