STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第109問

精神医学第28回
不眠症について正しいのはどれか。 a.治療ではまず睡眠薬を使用する。 b.十分な昼寝をして睡眠を補うべきである。 c.寝酒は有効である。 d.日中の活動への影響を伴う。 e.身体疾患が原因の一つである。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
# 第28回 第109問 — 不眠症 ■ 正答:5番 — d.日中の活動への影響を伴う。 / e.身体疾患が原因の一つである。 不眠症の診断・治療において、**日中機能障害の有無**が必須診断基準であり、身体疾患や医学的状態が原因になりうることが国際的な診断基準で認められています。一方、初期治療は行動療法を優先し、薬物療法は段階的に導入します。 --- 【各選択肢の解説】 **a. 治療ではまず睡眠薬を使用する。** ❌ **誤り**。不眠症の初期治療は**認知行動療法(CBT-I)などの非薬物療法**を最優先とします。オーストリア医学会やアメリカ心理学会のガイドラインでも、安定した有効性と安全性の観点から、薬物療法は補助的な位置付けです。多くの患者は睡眠薬に依存するリスク(習慣化・耐性形成・反跳性不眠)があるため、行動療法を基礎とします。 **b. 十分な昼寝をして睡眠を補うべきである。** ❌ **誤り**。昼寝は短時間(15〜20分)に限定すべきです。長時間の昼寝は**夜間の睡眠欲を低下させ、逆に夜間不眠を悪化させます**。睡眠習慣の改善において「昼寝の制限」は重要な睡眠衛生の実践項目です。 **c. 寝酒は有効である。** ❌ **誤り**。アルコールは初期の睡眠導入には若干有効に見えますが、その後の睡眠構造を障害し、深睡眠を減少させ、**中途覚醒を増加させます**。習慣的な寝酒は睡眠薬への依存と同様に問題であり、推奨されません。 **d. 日中の活動への影響を伴う。** ✅ **正しい**。DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では、不眠症の診断基準に**「日中の機能障害(疲労・集中困難・気分障害・作業能力低下など)の存在が必須**」と明記されています。単に「寝つきが悪い」だけでなく、日中生活に悪影響を与えることが診断の前提条件です。 **e. 身体疾患が原因の一つである。** ✅ **正しい**。不眠症の二次原因には、疼痛疾患(腰痛・関節炎)・呼吸器疾患(睡眠時無呼吸症候群・COPD)・神経疾患(パーキンソン病・REM睡眠行動障害)・胃食道逆流症(GERD)・更年期障害(ホルモン変化)が含まれます。医学的状態が直接的に睡眠を障害することが多くの患者で見られます。 --- 【試験対策ポイント】 **不眠症治療の階層的アプローチ**: | ステップ | 治療法 | ポイント | |---|---|---| | **第1段階(最優先)** | 睡眠衛生指導・認知行動療法(CBT-I) | 昼寝制限・就寝時刻の統一・寝酒・喫煙避止 | | **第2段階** | 補助的薬物療法 | メラトニン受容体作動薬→ベンゾジアゼピン系の順 | | **第3段階** | 困難症例への対応 | 長期治療の必要性の検討・専門家への紹介 | **診断の必須要件**: - 睡眠に関する訴え(入眠困難・中途覚醒・早朝
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