STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第108問

精神医学第28回
錐体外路症状が最も出現しやすい薬物はどれか。
  1. 1.抗精神病薬 ✓
  2. 2.抗うつ薬
  3. 3.抗てんかん薬
  4. 4.抗不安薬
  5. 5.睡眠薬

正答:1番

解説
# 第28回 第108問 解説 ■ 正答:**1番 — 抗精神病薬** 抗精神病薬(特に典型抗精神病薬)は、中脳辺縁系および中脳皮質系のドパミンD2受容体を遮断することで陽性症状を改善します。**同時に線条体のドパミン活動も抑制してしまうため、錐体外路症状(EPS)が最も高頻度に出現しやすい薬物です。** 他の薬物クラスでは、このような錐体外路症状は稀です。 --- 【各選択肢の解説】 **1. 抗精神病薬** ✅ **正しい。** 特に典型抗精神病薬(ハロペリドール・クロルプロマジン・フルフェナジンなど)は錐体外路症状が高頻度。非定型抗精神病薬(リスペリドン・オランザピン等)でも発生リスクあり。 **2. 抗うつ薬** ❌ **誤り。** SSRI・三環系抗うつ薬などはドパミン遮断作用が最小限のため錐体外路症状は極めて稀。むしろセロトニン・ノルアドレナリン系に作用。 **3. 抗てんかん薬** ❌ **誤り。** フェニトイン・バルプロ酸などはGABA増強やナトリウム/カルシウムチャネル遮断を機序とし、ドパミン系に直接作用しないため錐体外路症状を引き起こさない。 **4. 抗不安薬** ❌ **誤り。** ベンゾジアゼピン系(ジアゼパムなど)はGABA受容体作用薬であり、ドパミン系への影響は極めて限定的。錐体外路症状の発生は稀。 **5. 睡眠薬** ❌ **誤り。** ベンゾジアゼピン系睡眠薬や非ベンゾジアゼピン系(ゾルピデム等)は脳の抑制系を賦活するが、ドパミン遮断作用はなく錐体外路症状は発生しない。 --- 【試験対策ポイント】 **■ 錐体外路症状(EPS)の4大症状** | 症状名 | 発症時期 | 特徴 | メカニズム | |---|---|---|---| | **急性ジストニア** | 数時間〜数日 | 頸部捩転・眼球上転・顔面筋痙攣 | 線条体のドパミン遮断 | | **アカシジア** | 数日〜数週 | 内的な落ち着きのなさ・下肢の浮き立たなさ | 介入的なドパミン低下 | | **パーキンソニズム** | 数日〜数週 | 安静時振戦・筋強剛・無動・小刻み歩行 | 線条体機能低下(黒質線条体路障害) | | **遅発性ジスキネジア** | 数ヶ月〜数年 | 不随意的な運動(口舌突出・反復咀嚼・肢の不随意運動)。**不可逆的** | 長期のD2受容体遮断に伴う超感受性 | **■ 薬物別のEPS発生リスク(大~小の順)** - **高リスク**:典型抗精神病薬(特にハロペリドール)> リスペリドン(非定型でも比較的高い) - **中リスク**:パリペリドン・アミスルプリド - **低リスク**:アリピプラゾール・クエチアピン・オランザピン → **国試では「抗精神病薬=錐体外路症状高頻度」を強く意識する。**
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