STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第10問

精神医学第28回
うつ病患者への関わり方や療養指導で誤っているのはどれか。
  1. 1.十分な休息と休養
  2. 2.叱咤激励 ✓
  3. 3.環境調整
  4. 4.自殺をしないことの約束
  5. 5.禁酒

正答:2番

解説
# 第28回 第10問 解説 ■ 正答:**2番 — 叱咤激励** うつ病患者への関わりで最も重要なのは、患者の苦痛を受容し、非難や励ましを避けることです。叱咤激励は「頑張れ」「気合いで治す」といったメッセージを与え、患者に無力感や自責感をさらに深めさせるため、**禁忌中の禁忌**です。 --- ## 【各選択肢の解説】 **1. 十分な休息と休養** ✅ 正しい。うつ病は脳内神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリン)の機能不全であり、心理的な努力だけでは治せません。十分な休息は神経生物学的な回復に必須です。 **2. 叱咤激励** ❌ **誤り(正答)**。「頑張れ」「気合いだ」といった励ましは、患者に「自分が弱いからうつ病になった」という誤った自責感を強化し、治療動機を喪失させます。むしろ患者の症状を病気として受け入れ、**受容的・傾聴的な姿勢**が必要です。 **3. 環境調整** ✅ 正しい。ストレス要因の軽減・仕事量の制限・対人関係のリセットなど、環境的負荷を減らすことはうつ病の治療における重要な支援です。 **4. 自殺をしないことの約束** ✅ 正しい。うつ病患者の自殺リスクは最も深刻です。約束を取り付けることで、患者が「自分の生きる意志を言葉に出す」プロセスを促進し、一定の心理的効果があります。同時に医療者は定期的な観察・リスク評価を継続します。 **5. 禁酒** ✅ 正しい。アルコールはセロトニン系を進行性に抑制し、うつ症状を悪化させます。また抗うつ薬との相互作用により肝障害や昏睡リスクが高まります。禁酒は医学的に厳格に指導すべき項目です。 --- ## 【試験対策ポイント】 **うつ病患者への関わり方の原則**(頻出テーマ) | 対応 | 評価 | 理由 | |---|---|---| | 叱咤激励・「頑張れ」 | ❌ 禁忌 | 自責感・無力感を増強。治療意欲喪失 | | 受容・傾聴・共感 | ✅ 推奨 | 患者の苦悩を認め、安心感と信頼関係構築 | | 「気分の問題」と扱う | ❌ 誤り | 脳内神経伝達物質の異常。心理的努力では治せない | | 十分な休息・休養 | ✅ 推奨 | 神経生物学的回復に必須 | | 環境ストレスの軽減 | ✅ 推奨 | 再発・悪化予防。職場復帰段階的に進める | | 自殺リスクアセスメント | ✅ 必須 | 初期・治療経過中・薬物調整時に特に重要 | **うつ病患者への療養指導の重点** - **禁酒の指導**:セロトニン作動系の抑制・肝代謝負荷・抗うつ薬との相互作用 - **睡眠衛生**:不眠はうつ病の中核症状。定時就寝・起床・入浴の活用 - **軽い身体活動**:無理のない散歩・ヨガなどは神経可塑性を回復させる(ただし初期は無理は禁物) - **家族教育**:患者への否定的
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