STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第41問

音響学第20回
東京方言の成人女性話者による5母音それぞれのホルマント(フォルマント)周波数の平均値を図に示す。「ア」はどれか。【別図あり】
  1. 1.A
  2. 2.B
  3. 3.C
  4. 4.D
  5. 5.E ✓
第20回第41問 図

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — E 東京方言の成人女性における5母音のフォルマント周波数は、第1フォルマント(F1)と第2フォルマント(F2)の組み合わせで母音が決定されます。「ア」は口腔の開口度が最大で、舌位が低後方にあるため、F1が最も高く、F2は中程度の値を示すという音響的特徴があります。Eはこの特徴に該当する位置です。 --- 【各選択肢の解説】 1. A ❌ 誤り。Aの位置はF1が最も低く、F2も低い領域です。この特徴は舌位が高い「ウ」「オ」の母音に該当するため、開口度が最大の「ア」ではありません。 2. B ❌ 誤り。Bの位置はF1が低く、F2が高い領域です。この特徴は舌が前方挙上する「イ」に該当し、「ア」の音響特性とは異なります。 3. C ❌ 誤り。Cの位置はF1が中程度で、F2が最も高い領域です。この特徴は舌位が前方高い「エ」に該当し、「ア」の開口度最大という特徴と合致しません。 4. D ❌ 誤り。Dの位置はF1が中程度でF2も中程度です。この領域は「オ」などの中舌音に該当し、「ア」の最大開口という特徴を反映していません。 5. E ✅ 正しい。Eの位置はF1が最も高く、F2が中程度の値を示しています。これは舌位が低後方で口腔が最も開いた「ア」の音響特性と完全に一致します。F1の高さ=開口度、F2の値=舌の前後位置を示すため、この判断が正確です。 --- 【試験対策ポイント】 5母音のフォルマント周波数の特徴(東京方言・成人女性の典型値) | 母音 | 舌位・口腔形 | F1(Hz) | F2(Hz) | フォルマント図での位置 | |---|---|---|---|---| | ア | 低後方・最大開口 | 最高 | 中程度 | 右下 | | イ | 高前方 | 最低 | 最高 | 左上 | | ウ | 高後方 | 最低 | 最低 | 右上 | | エ | 中前方 | 中程度 | 高 | 左中央 | | オ | 中後方 | 中程度 | 低 | 右中央 | フォルマント周波数の音響学的意味 F1(第1フォルマント):開口度を反映 - 値が高い=口が大きく開いている(ア) - 値が低い=口が閉じている(イ、ウ) F2(第2フォルマント):舌の前後位置を反映 - 値が高い=舌が前方(イ、エ) - 値が低い=舌が後方(ウ、オ) 頻出ポイント - フォルマント図の横軸=F2(左高い→舌前方、右低い→舌後方) - 縦軸=F1(上低い→口閉じる、下高い→口開く) - 「ア」は5母音の中で最も口が開くため、必ずF1が最高値となる - 成人女性は男性より全体的に高周波側にシフトするが、相対的な配置関係は変わらない
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