STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第44問

言語学第20回
「長雨(ながあめ)」の「あめ」と同一の形態素の異形態であるのはどれか。 a.雨合羽(あまがっぱ) b.小雨(こさめ) c.豪雨(ごうう) d.五月雨(さみだれ) e.水飴(みずあめ) 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b 「長雨」の「あめ」は形態素としては「雨」を指します。同一の形態素「雨」の異形態(音韻環境により形が変わった同じ意味の形態素)を判定する問題です。形態素の異形態とは、同じ意味を持ちながら音韻環境により異なる音形で現れるものを指します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 雨合羽(あまがっぱ) ✅ 正しい。「あま」は「あめ」と同じ形態素「雨」の異形態です。「あめ」が単独形であるのに対し、「あま」は複合語内での形です(「あめ」→「あま」への音韻変化)。 b. 小雨(こさめ) ✅ 正しい。「さめ」の「さ」は濁音化した「あ」で、「あめ」と同じ形態素の異形態です。複合語内で音韻変化を受けて「さめ」となっています。 c. 豪雨(ごうう) ❌ 誤り。「ごうう」は「豪」(ごう)と「雨」(う)の複合ではなく、「豪い雨」の意味で「雨」が音韻同化により「う」に変化した形です。これは形態素の異形態ではなく、音韻環境による変形であり、単純な同化現象です。 d. 五月雨(さみだれ) ❌ 誤り。「さみだれ」は「さ」(5月の古い表記)と「みだれ」の複合で、「雨」という形態素が含まれていません。「みだれ」は別の形態素です。 e. 水飴(みずあめ) ❌ 誤り。「あめ」は飴(candy)の意味で、「雨」(あめ)ではなく別の形態素です。同音異義語であり、形態素としては別物です。 --- 【試験対策ポイント】 形態素と異形態の区別 | 概念 | 説明 | 例 | |---|---|---| | 形態素 | 最小の意味単位 | 「雨」という意味を持つ形態素 | | 異形態 | 同じ形態素が音韻環境で異なる形で現れる | 「あめ」「あま」「さめ」 | | 音韻変化による異形態 | 複合語内での促音化・濁音化・同化 | 「あめ」→「あま」(複合語内) | | 同音異義語 | 音は同じだが意味が異なる別形態素 | 「雨」(あめ)と「飴」(あめ) | 重要キーワード - 異形態判定の基準:「同じ形態素」かつ「同じ意味」を保持しながら音形が異なる - 複合語内での音韻変化(濁音化・促音化)は異形態の典型例 - 同音異義語や音韻同化とは区別する必要あり - 「さみだれ」は古語の「さ」を含む慣用表現で「雨」形態素を含まない
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