第20回 言語聴覚士国家試験 第46問
言語学第20回
「花子は太郎にご飯を無理やり食べさせられた」の下線部「られ」の文法機能はどれか。
- 1.可 能
- 2.尊 敬
- 3.自 発
- 4.受 身 ✓
- 5.使 役
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 受 身
「られ」が「食べさせられた」に含まれており、ここは「花子が太郎の行為(無理やり食べさせること)を被る」という受身の意味を表しています。「太郎にご飯を無理やり食べさせられた」という構造から、花子が被害者として行為を受けているため、受身形です。
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【各選択肢の解説】
1. 可 能
❌ 誤り。可能は「~することができる」という意味ですが、この文は「花子ができることができた」ではなく、「花子が太郎の行為を被った」という意味です。
2. 尊 敬
❌ 誤り。尊敬は対象者を敬う文法機能で、形式は「られる」ですが、この文脈では花子を敬う意味ではなく、被害を表しています。
3. 自 発
❌ 誤り。自発は「自然に~」という意味で、「花が自然に咲いた」のような使用法です。ここは被害の意味であり、自発ではありません。
4. 受 身
✅ 正しい。「食べさせられた」は「太郎に食べさせられる」という受身形で、花子が太郎の「無理やり食べさせる」という行為を被っています。この被害性が強い受身表現です。
5. 使 役
❌ 誤り。使役は「~させる」という意味で、「太郎は花子にご飯を食べさせた」のような形です。ここは受身と使役が複合した「られ」であり、主要な機能は受身です。
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【試験対策ポイント】
受身・使役・可能の複合形の判定法
| 形式 | 意味 | 主体の位置 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 使役(させる) | Aが対象を強制する | A(積極的) | 太郎は花子に食べさせた |
| 受身(られる) | Bが行為を被る | B(被害/受動的) | 花子は太郎に食べさせられた |
| 可能(ることができる) | 「~できる」 | 主体が能力を持つ | 花子は食べることができた |
| 尊敬(られる) | 敬う対象の行動 | 敬意対象の行為 | 先生がお書きになった |
| 自発(られる) | 自然に~する | 自然発生的 | 季節の移ろいが感じられた |
キーポイント:「太郎に」+「無理やり」+「食べさせられた」
- 「に」は被害者をマークする格助詞
- 「無理やり」という被害性を示すキーワード
- 結果として「られ」は受身機能を果たしている
注意:「食べさせられた」の「られ」は、使役「させ」+受身「られ」の複合形ですが、文全体での主要な文法機能は**受身**です。