第20回 言語聴覚士国家試験 第47問
言語発達学第20回
言語発達の順序として適切でないのはどれか。
- 1.ことばの理解からことばの表出へ
- 2.内容語の産出から機能語の産出へ
- 3.可逆文の理解から非可逆文の理解へ ✓
- 4.時系列的説明から因果律的説明へ
- 5.出来事の語りが一般的な側面から特殊な側面へ
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 可逆文の理解から非可逆文の理解へ
言語発達では、理解の難易度は「非可逆文→可逆文」の順序です。「太郎が花子を押した」(非可逆文)は意味から主語が決まるため理解しやすく、「太郎が花子にぶたれた」(可逆文)は文法的に解析する必要があるため習得が遅れます。3番は発達順序を逆に述べているため誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. ことばの理解からことばの表出へ
✅ 正しい。言語発達の基本原則として、受動的な理解が能動的な表出に先行します。乳幼児は理解できる語彙数が表出語彙数を大きく上回ります。
2. 内容語の産出から機能語の産出へ
✅ 正しい。初語は「ママ」「ワンワン」など内容語(名詞・動詞)で、助詞・助動詞などの機能語の習得は後続します。語彙爆発期(1歳6ヶ月)も内容語が中心です。
3. 可逆文の理解から非可逆文の理解へ
❌ 誤り。言語発達では「非可逆文→可逆文」の順で理解が進みます。非可逆文は意味制約により主語が決まるため理解が容易で、可逆文は文法的解析が必須であり習得が遅れます。
4. 時系列的説明から因果律的説明へ
✅ 正しい。幼児期は「次に~になった」と時間順序で説明し、学童期以降「だから~になった」と因果関係を理解します。メタ認知の発達と関連します。
5. 出来事の語りが一般的な側面から特殊な側面へ
✅ 正しい。幼児期は「いつもママがやる」と一般化された出来事を述べ、学童期に「きのう公園で~があった」と特定の経験を時系列で語るようになります。ナラティブ能力の発達段階です。
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【試験対策ポイント】
可逆文 vs 非可逆文(重要!頻出)
| 概念 | 可逆文の例 | 非可逆文の例 |
|---|---|---|
| 定義 | 主語と目的語を入れ替えても文法的に成立 | 意味的に逆転すると不自然 |
| 例文 | 「太郎が花子をぶった」→「花子が太郎をぶった」両方可能 | 「太郎が食べた」→「食べたが太郎を」は不可能 |
| 理解難度 | 文法的解析が必須=**習得遅い** | 意味制約で判断可能=**習得早い** |
| 習得年齢 | 3~4歳以降 | 2~3歳 |
言語発達の時系列(1語文~学童期)
- 1歳:初語(内容語)
- 1歳6ヶ月:語彙爆発(語彙50語)、初期助詞出現
- 2歳:2語文、機能語の増加開始
- 2歳6ヶ月~3歳:助詞・助動詞の習得開始
- 3~4歳:可逆文の理解開始、時系列的説明
- 学童期:因果律的説明、ナラティブの詳細化、特殊な側面の記述