第20回 言語聴覚士国家試験 第68問
言語発達学第20回
4歳の定型発達児で誤っているのはどれか。
- 1.「にわとり」を逆唱することができる。 ✓
- 2.「そして」、「だから」などの接続詞を使って説明できる。
- 3.「乗り物」、「果物」など上位概念を表す語彙の理解ができる。
- 4.片足立ちができる。
- 5.じゃんけんのルールが理解できる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 「にわとり」を逆唱することができる。
4歳の定型発達児は、単語を文字単位で分解して逆唱(リバーサル)することはできません。「にわとり」を逆唱して「りとわに」と言うには、音韻を保持・操作する高度な能力が必要であり、これは学童期(6~7歳以降)の発達段階です。4歳段階では、まだこのような音韻的なメタ認知スキルは発達していません。
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【各選択肢の解説】
1. 「にわとり」を逆唱することができる。
❌ 誤り。音韻を文字単位で分解し逆順で復唱することは、4歳では発達段階として早すぎます。音韻操作能力(フォノロジカルアウェアネス)は6~7歳以降に発達し、特に読み書き学習と密接に関連しています。
2. 「そして」、「だから」などの接続詞を使って説明できる。
✅ 正しい。4歳児は因果関係や時間的関係を理解し始め、順接・逆接の接続詞を使った説明が可能になります。3語以上の連文や複文表出が確実になる時期です。
3. 「乗り物」、「果物」など上位概念を表す語彙の理解ができる。
✅ 正しい。4歳児はカテゴリー化能力が発達し、具体物をカテゴリーで分類・理解できます。語彙数は1,000語を超え、品詞も多様化しています。
4. 片足立ちができる。
✅ 正しい。片足立ちは3~4歳で獲得される粗大運動スキルです。バランス感覚と姿勢制御の発達を示します。
5. じゃんけんのルールが理解できる。
✅ 正しい。4歳児は簡単なゲームルール(勝ち負けの概念、手指の動きの組み合わせ)を理解し、参加できます。社会的認知と認知柔軟性の発達段階です。
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【試験対策ポイント】
音韻操作能力(フォノロジカルアウェアネス)の発達段階
| 能力 | 4歳 | 5~6歳 | 6~7歳以降 |
|---|---|---|---|
| 音韻意識(単語が「音」でできている) | △ | ◎ | ◎ |
| 韻を踏む・同じ音で始まる語を挙げる | × | △ | ◎ |
| 文を音節に分割(モーラ分割) | × | △ | ◎ |
| 文字単位の逆唱・文字操作 | × | × | ◎ |
4歳児の言語発達マイルストーン
- 語彙数:800~1,200語
- 文法:接続詞を含む複文表出(「○○して、□□した」)
- 会話:ごっこ遊びで複数役割を演じられる
- 理解:指示理解(「机の下に椅子を置いてくれない?」など)
逆唱(リバーサル)の誤解ポイント
逆唱は「読み書きスクリーニング検査」で用いられ、音韻処理能力や限局性学習障害の評価に活用されます。4歳は「単語の理解と発話」段階であり、「音そのものを操作する」段階ではありません。