第20回 言語聴覚士国家試験 第69問
言語発達学第20回
発達検査の目的について誤っているのはどれか。
- 1.認知発達の段階を評価する。
- 2.言語発達の特徴を分析する。
- 3.行動発達の特性を明らかにする。
- 4.感情障害の有無を判定する。 ✓
- 5.指導方針を検討する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 感情障害の有無を判定する。
発達検査は、乳幼児から学童期の子どもの発達段階と発達特性を評価するスクリーニングツールです。認知・言語・運動・社会性などの発達領域を多角的に測定しますが、精神疾患や感情障害(例:児童期解離性障害、小児双極性障害など)の診断判定は、発達検査の目的ではなく、むしろ精神医学的・心理学的な専門的診断手段(面接、心理テスト、行動観察など)が必要とされます。
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【各選択肢の解説】
1. 認知発達の段階を評価する。
✅ 正しい。発達検査(Bayley Scales、WISC、田中ビネー式など)の主要な目的です。ピアジェの認知発達段階(感覚運動期~形式的操作期)に基づき、子どもの発達段階を定量的に測定します。
2. 言語発達の特徴を分析する。
✅ 正しい。多くの発達検査に言語領域が含まれており、初語出現時期・語彙数・文法構造・理解語彙と表出語彙のバランスなど、言語発達の詳細を分析できます。
3. 行動発達の特性を明らかにする。
✅ 正しい。適応行動(自理能力・生活スキル)や社会的相互作用、遊びの特性など、行動発達の多角的な特性評価が発達検査に含まれます。
4. 感情障害の有無を判定する。
❌ 誤り。感情障害(気分障害、不安障害、発達障害に伴う二次的精神症状など)の診断判定は発達検査の目的外です。これらの評価には精神医学的診断面接、心理評価尺度(行動評価票など)、臨床観察が必要です。
5. 指導方針を検討する。
✅ 正しい。発達検査結果から得られた各領域の強み・弱みの個別プロファイルに基づいて、早期介入方針、教育支援計画、言語聴覚療法の目標設定などが検討されます。
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【試験対策ポイント】
発達検査の正当な目的(検査目的)と、発達検査では判定できない領域(診断手段外)を区別することが重要です。
表:発達検査と精神医学的診断手段の役割分担
| 検査手段 | 対象領域 | 代表的ツール |
|---|---|---|
| 発達検査 | 認知・言語・運動・社会性・適応行動の段階と特性 | Bayley、WISC、田中ビネー、遠城寺式 |
| 心理評価・診断面接 | 感情障害、気分障害、不安、対人関係 | DSM-5診断、CBCL(親評定行動評価票) |
| 神経心理検査 | 脳機能損傷(記憶、実行機能、視空間認知) | MMSE、MoCA |
キーワード:
- 発達検査:スクリーニング&アセスメント機能(診断機能ではない)
- 感情障害判定:精神医学的領域(発達検査では対応不可)
- 多領域評価:認知・言語・運動・適応行動が対象範囲