STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第76問

音声障害第20回
50代の女性。主訴は嗄声。声帯運動に問題はない。喉頭内視鏡所見を示す。嗄声の主な特徴はどれか。【別図あり】
  1. 1.粗糙性 ✓
  2. 2.気息声
  3. 3.無力性
  4. 4.努力性
  5. 5.痙攣性
第20回第76問 図

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 粗糙性 声帯運動が正常(麻痺なし)であるため、運動障害性構音障害ではなく「構造的問題による音声障害」です。50代女性という年齢と嗄声の主訴から、声帯の表面構造の変化(ポリープ・結節・溝状萎縮など)による音質の荒れを示す「粗糙性」が嗄声の主な特徴となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 粗糙性 ✅ 正しい。声帯運動が正常で嗄声がある場合、声帯表面の凹凸や振動の不規則性が音の周期性を乱し、粗い・ザラザラした音質になります。女性の加齢による声帯の萎縮や、ポリープ・結節といった構造的問題で出現します。 2. 気息声 ❌ 誤り。気息声(breathiness)は声帯が完全に閉鎖できず、呼気が漏れる際に出現します。これは声帯運動の不全(弛緩性麻痺など)が原因で、運動に問題がない本ケースには当てはまりません。 3. 無力性 ❌ 誤り。無力性(asthenia)は発声に要する筋力が低下した場合(筋疾患・重症筋無力症など)に聞かれる特徴です。声帯運動に問題がないため、筋力不足は考えにくい選択肢です。 4. 努力性 ❌ 誤り。努力性嗄声(strained voice)は痙性麻痺(両側錐体路障害→偽性球麻痺)で出現し、声帯の過緊張を伴います。声帯運動が正常な本ケースでは不適切です。 5. 痙攣性 ❌ 誤り。痙攣性は痙攣性発声障害という神経学的異常に基づき、随意的な声帯閉鎖時に不随意な痙攣が生じます。構造的問題である本ケースには当てはまりません。 --- 【試験対策ポイント】 声帯運動の有無で鑑別 | 声帯運動 | 主な原因 | 嗄声の特徴 | |---|---|---| | 正常 | ポリープ・結節・萎縮・瘢痕 | 粗糙性 | | 不全(弛緩性) | 下位運動ニューロン損傷 | 気息声・無力性 | | 過度 | 痙性麻痺・痙攣性障害 | 努力性・痙攣性 | キーワード:「嗄声+声帯運動正常」→構造的問題を疑う→粗糙性
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