第21回 言語聴覚士国家試験 第1問
医学総論第21回
誤っている組み合わせはどれか。
- 1.健康 ― 社会的に良好な状態
- 2.個人情報保護法 ― 守秘義務の遵守
- 3.少子高齢化 ― 生産年齢人口の減少
- 4.インクルージョン ― 特別支援学校での教育 ✓
- 5.ICF(国際生活機能分類)の参加 ― 主婦業としての調理
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — インクルージョン ― 特別支援学校での教育
インクルージョン(包括的教育)は、障害のある児童・生徒を「通常学級に統合する」ことを原則とする考え方です。特別支援学校での教育は、むしろ分離教育であり、インクルージョンの理念と相反しています。
---
【各選択肢の解説】
1. 健康 ― 社会的に良好な状態
✅ 正しい。WHO(世界保健機関)は健康を「身体的・精神的・社会的に良好な状態」と定義しており、単なる「疾病がない」状態ではなく、社会的側面を含んでいます。
2. 個人情報保護法 ― 守秘義務の遵守
✅ 正しい。個人情報保護法は個人の情報を保護する法律であり、言語聴覚士の守秘義務(言語聴覚士法第14条)に直結しています。法的義務として患者情報の厳格な管理が求められます。
3. 少子高齢化 ― 生産年齢人口の減少
✅ 正しい。少子高齢化社会では出生率低下により若年層が減少し、同時に高齢者比率が上昇することで、生産年齢人口(15~64歳)が確実に減少します。
4. インクルージョン ― 特別支援学校での教育
❌ 誤り。インクルージョン(包括的教育)とは、障害の有無にかかわらず全ての児童が通常学級で共に学ぶという理念です。特別支援学校は分離教育の象徴であり、インクルージョンの対極にあります。
5. ICF(国際生活機能分類)の参加 ― 主婦業としての調理
✅ 正しい。ICFでは「参加」は社会的役割の実行を指し、主婦が調理を行うことは家庭内での社会的役割の遂行であり、「参加」の具体例として適切です。
---
【試験対策ポイント】
| 概念 | 定義・特徴 |
|---|---|
| インクルージョン | 障害児も健常児も同じ通常学級で学ぶ(統合教育) |
| セグレーション | 障害児を特別学級・特別支援学校に分離(従来型) |
| インテグレーション | 障害児を通常学級に受け入れるが、支援は限定的 |
WHO健康定義(3つの柱)
- 身体的に良好
- 精神的に良好
- 社会的に良好
ICFの3階層(下位から上位へ)
- 心身機能・構造の障害
- 活動制限(本人レベル)
- 参加制約(社会的役割レベル)→調理・育児・就労など
守秘義務(言語聴覚士法第14条)
- 業務上知り得た秘密を守る法的義務
- 違反時:50万円以下の罰金
- 個人情報保護法と重複規制される領域