第28回 言語聴覚士国家試験 第102問
医学総論第28回
院内感染対策で誤っているのはどれか。
- 1.標準予防策の対象はすべての患者である。
- 2.手洗いでは手首を最後に洗う。
- 3.手袋を外した後は手洗いを省略してよい。 ✓
- 4.病室のカーテンを触った後に手指消毒を行う。
- 5.飛沫による汚染が予想される場合にフェイスシールドを使用する。
正答:3番
解説
# 第28回 第102問 解説
## ■ 正答:3番 — 手袋を外した後は手洗いを省略してよい
**誤りの理由**:手袋を外した後は**必ず手洗いを実施しなければならない**。手袋装脱時に手指が汚染される可能性があり、また手袋に細かい穿孔が存在することもある。標準予防策では、PPE使用の有無に関わらず、患者・環境との接触後は必ず手衛生を実施することが原則である。
---
## 【各選択肢の解説】
**1.標準予防策の対象はすべての患者である**
✅ **正しい**。標準予防策(スタンダード・プレコーション)は感染症の有無に関わらず**すべての患者に適用される**。医療従事者は唾液を含むすべての湿性生体物質を感染性ありとして扱う必須の感染管理基本原則である。
**2.手洗いでは手首を最後に洗う**
✅ **正しい**。正しい手洗い順序は「爪→指間→手指背→手のひら→手首→前腕」と遠位(先端)から近位(体側)へ進める。手首は最後に洗うことで、汚れた近位部が既に洗った遠位部に流れてくるのを防ぐ。
**3.手袋を外した後は手洗いを省略してよい**
❌ **誤り**。**手袋装脱時に手指が汚染される可能性が高い**。さらにラテックス等の手袋に肉眼では見えない穿孔が存在することもある。標準予防策では「PPE使用後は必ず手衛生を実施」が原則であり、手袋外後の手洗い・手指消毒の省略は感染の重大なリスクである。
**4.病室のカーテンを触った後に手指消毒を行う**
✅ **正しい**。医療環境(ドアノブ、カーテン、ベッド柵、医療機器)は患者や医療従事者の手を介して汚染されやすい。これらの環境表面に接触した後は直ちに手指消毒(アルコール製剤またはロ過水で手洗い)を実施すべきである。
**5.飛沫による汚染が予想される場合にフェイスシールドを使用する**
✅ **正しい**。飛沫核感染予防のためにはN95マスク等が必要だが、飛沫予防策として**フェイスシールドは眼・鼻粘膜への飛沫付着を防ぎ有効**である。飛沫予防策の標準的PPEは「サージカルマスク+必要に応じてフェイスシールド」である。
---
## 【試験対策ポイント】
**標準予防策の全体像**(国試頻出:必ず整理)
| 要素 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| **手指衛生** | **最重要**。患者・環境接触前後、清潔/非清潔操作間、自身の顔への接触前 | 外科的手洗い+手指消毒 |
| **PPE** | 予想される曝露程度に応じて選択 | 手袋(接触予防)・マスク(飛沫予防)・アイプロテクション |
| **呼吸器衛生** | 患者側の咳嗽エチケット | マスク着用・ティッシュ使用・手洗い |
| **安全な注射** | 針刺し損傷予防 | 針の再キャップ禁止・安全機構付き機器 |
| **環境管理** | 医療環境の清掃・消毒 | 日常清掃+汚染時の即時消毒 |
**PPE着脱の正しい順序**(