STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第103問

神経系第21回
舌をだすと左に偏位するとき、障害されているのはどれか。
  1. 1.右舌下神経
  2. 2.右舌咽神経
  3. 3.右顔面神経
  4. 4.左舌咽神経
  5. 5.左舌下神経 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 左舌下神経 舌下神経(Ⅻ)は舌の外舌筋(舌骨舌筋・顎舌骨筋・茎突舌筋)と内舌筋を支配します。舌を突き出すとき、同側の舌下神経が障害されると、その側の舌筋が麻痺して力が入らなくなり、健側(正常側)の舌筋の収縮により舌全体が麻痺側の反対側に偏位します。したがって、舌が左に偏位する場合は、左舌下神経が障害されていることを示します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 右舌下神経 ❌ 誤り。右舌下神経が障害されれば、右側の舌筋が麻痺し、舌は右に偏位します。本問では左に偏位しているため、右舌下神経障害ではありません。 2. 右舌咽神経 ❌ 誤り。舌咽神経(Ⅸ)は舌の感覚と味覚(舌後1/3)を担いますが、舌の運動支配には関与しません。また舌咽神経障害では舌の偏位は生じません。 3. 右顔面神経 ❌ 誤り。顔面神経(Ⅶ)は顔面表情筋、アブミ骨筋などを支配し、舌の運動支配には関与しません。顔面神経障害では舌の偏位は生じません。 4. 左舌咽神経 ❌ 誤り。舌咽神経は舌の感覚・味覚を担いますが、舌の運動(突き出す動作)は支配しません。したがって舌咽神経障害では舌の偏位は起こりません。 5. 左舌下神経 ✅ 正しい。左舌下神経が障害されると、左側の舌筋が麻痺します。舌を突き出すとき、右側の舌筋は正常に収縮しますが、左側は力が入らないため、舌全体は左に偏位します。 --- 【試験対策ポイント】 舌下神経障害の臨床徴候: | 項目 | 内容 | |---|---| | 支配筋 | 舌外筋(3筋)+舌内筋 | | 偏位の法則 | 麻痺側と反対方向に偏位 | | 例 | 左舌下神経麻痺→舌は左に偏位 | | 萎縮 | 麻痺側の舌に線維束攣縮が見られる | 脳神経12対の運動支配一覧(運動に関わるもの): - III(動眼神経):眼球運動・眼瞼挙上 - IV(滑車神経):上斜筋 - V(三叉神経):咀嚼筋 - VI(外転神経):外直筋 - VII(顔面神経):表情筋・アブミ骨筋 - IX(舌咽神経):咽頭筋・茎突咽頭筋(感覚・味覚のみで運動支配なし) - X(迷走神経):喉頭筋・咽頭筋・軟口蓋 - XI(副神経):胸鎖乳突筋・僧帽筋 - XII(舌下神経):舌の全筋 重要な区別: - 舌咽神経(Ⅸ):舌後1/3の感覚・味覚 → 運動なし - 舌下神経(Ⅻ):舌全体の運動 → 感覚・味覚なし
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