第21回 言語聴覚士国家試験 第127問
認知心理学第21回
ステレオタイプについて誤っているのはどれか。
- 1.主に集団を対象として形成される。
- 2.定型化された認知の枠組みである。
- 3.自動的・無意識的に用いられる。
- 4.客観的な予測の成立に寄与する。 ✓
- 5.認知的な経済性を高める。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 客観的な予測の成立に寄与する。
ステレオタイプは「客観的な予測」には寄与しません。むしろステレオタイプに基づく判断は、個人差や状況的特性を無視した非論理的・偏見的な予測であり、実際の行動や特性を過度に単純化・歪曲させます。ステレオタイプは認知的効率性をもたらしますが、「客観性」や「正確性」とは矛盾しています。
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【各選択肢の解説】
1. 主に集団を対象として形成される。
✅ 正しい。ステレオタイプは特定の社会集団(民族・性別・年齢グループなど)に対して一般化された認知のため、個人ではなく「集団」を対象として形成されるものです。
2. 定型化された認知の枠組みである。
✅ 正しい。ステレオタイプは「集団に関する定型的・固定化した認知」を意味し、特定の属性や特徴を繰り返し結びつける認知的枠組みそのものです。
3. 自動的・無意識的に用いられる。
✅ 正しい。ステレオタイプは意図的な思考プロセスを経ずに自動的に活性化され、多くの場合、本人が気づかないうちに無意識的に判断に影響を与えます(自動的ステレオタイプ活性化)。
4. 客観的な予測の成立に寄与する。
❌ 誤り。ステレオタイプに基づく判断は個人の多様性を無視し、集団の一般的イメージに基づく予測であるため、実際の個人の行動や特性を「客観的」に予測するものではありません。むしろ認知的バイアスとして機能し、予測の歪みをもたらします。
5. 認知的な経済性を高める。
✅ 正しい。ステレオタイプは複雑な情報処理を簡潔な認知図式に短縮化し、限定的な認知資源で迅速に判断できるようにするため、「認知的経済性」(cognitive economy)を高めます。これがステレオタイプが広く用いられる理由の一つです。
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【試験対策ポイント】
ステレオタイプの機能と限界
| 側面 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 集団に対する定型化・固定化した認知 |
| 形成過程 | 自動的・無意識的に活性化 |
| 認知的機能 | 情報処理の効率化(認知的経済性) |
| 認識の質 | 客観的・正確性に欠ける(バイアス源) |
| 社会的影響 | 偏見・差別の基盤となる可能性 |
頻出の混同ポイント
「経済性を高める=予測精度が高い」という誤解を避けること。ステレオタイプの「効率性」と「正確性」は別物です。効率的な処理は往々にして不正確です。