第21回 言語聴覚士国家試験 第128問
心理測定法第21回
感覚知覚的測定において、測定者の動静が被測定者の反応に影響を与えることがある。この原因となりうるのはどれか。
a.実験者効果
b.社会的促進
c.ピグマリオン効果
d.光背効果(ハロー効果)
e.傍観者効果
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b,c
感覚知覚的測定において、測定者の動静が被測定者の反応に影響を与える現象は、測定者自身の存在や行動が実験結果を歪める「実験者効果」、他者の存在により動機づけが変わる「社会的促進」、測定者の期待が被測定者の実績に影響する「ピグマリオン効果」が該当します。これらは全て測定者と被測定者の対面的相互作用に起因する測定の信頼性を損なわせる要因です。
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【各選択肢の解説】
a. 実験者効果
✅ 正しい。測定者の容貌、行動、期待や無意識的な手がかり(キューイング)が被測定者の反応に影響を与える現象。感覚知覚測定では測定者の動静そのものが刺激となり得るため、直接的な影響因子です。
b. 社会的促進
✅ 正しい。他者(測定者)の存在により、被測定者の動機づけレベルが上昇し、反応が変化する現象。感覚知覚測定中に測定者が目に見える位置にいると、被測定者の緊張や集中度が変わり、閾値や感度に影響を与えます。
c. ピグマリオン効果
✅ 正しい。測定者が被測定者に対して持つ無意識的期待が、被測定者の実績や反応に影響を与える現象。「この被験者は感度が高いはず」という測定者の期待が、無意識的な対応や質問の仕方の変化を通じて測定結果に反映されます。
d. 光背効果(ハロー効果)
❌ 誤り。ある対象の顕著な特性が、その他の特性の評価に与える影響。「測定者の容貌が良いから能力も高い」といった認知的バイアスですが、これは被測定者の人物評価に関する偏見であり、測定者の動静そのものとは異なります。感覚知覚測定の成績そのものには直接影響しません。
e. 傍観者効果
❌ 誤り。複数の他者が存在する状況下で、個人の援助行動や責任感が低下する社会心理学的現象。感覚知覚測定では通常、測定者と被測定者の1対1の関係であり、また援助行動や責任感の低下という概念は測定状況には適用されません。
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【試験対策ポイント】
キー概念の区別
| 要因 | 発生メカニズム | 測定への影響 |
|---|---|---|
| 実験者効果 | 測定者の存在・行動・無意識的キューイング | 直接的・行動的 |
| 社会的促進 | 他者存在による動機づけ変化 | 反応速度・精度変化 |
| ピグマリオン効果 | 測定者の期待が対応に反映 | 間接的・環境操作的 |
| ハロー効果 | 特定特性による評価バイアス | 認知的(測定結果ではない) |
| 傍観者効果 | 複数他者下での責任分散 | 援助行動に限定 |
測定に悪影響を与える要因の判定法
「測定者の動静」が「被測定者の反応そのものを変えるか」がキーポイント
→ 実験者効果・社会的促進・ピグマリオン効果=YES
→ ハロー効果・傍観者効果=NO(前者は評価の偏見、後者は集団責任現象)