第21回 言語聴覚士国家試験 第149問
リハ医学第21回
ICF(国際生活機能分類)について正しいのはどれか。
a.社会的不利を活動とした。
b.概念にマイナスの表現を用いた。
c.背景因子として個人因子と環境因子とを設定した。
d.健康状態を出発点とした。
e.能力障害を参加とした。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
# 第21回 第149問 解説
■ 正答:4番 — c,d
ICF(国際生活機能分類)は、WHOが2001年に発表した生活機能と障害の国際的な分類枠組みです。正答はcとdであり、ICFの基本的な特徴を正しく述べています。ICFは従来の障害分類(ICIDH)から転換し、「健康状態」を出発点として、心身機能・身体構造、活動、参加の3領域と、背景因子(個人因子・環境因子)を含む包括的なモデルです。
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【各選択肢の解説】
a. 社会的不利を活動とした。
❌ 誤り。ICIDH(1980)における「社会的不利(ハンディキャップ)」は、ICFでは「**参加**」に対応します。「活動」はICIDHの「能力障害」に対応する概念です。
b. 概念にマイナスの表現を用いた。
❌ 誤り。ICFの大きな特徴は、ICIDHのマイナス(障害)中心の表現から、**中立的(ニュートラル)な表現**に転換したことです。「機能障害」「能力障害」「社会的不利」というマイナス表現を、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」という中立的用語に変更しました。
c. 背景因子として個人因子と環境因子とを設定した。
✅ 正しい。ICFでは「背景因子」として**個人因子**(年齢・性別・生活歴・価値観など)と**環境因子**(物的環境・人的支援・社会制度など)の2つを設定しました。特に環境因子の導入はICFの最大の特徴です。
d. 健康状態を出発点とした。
✅ 正しい。ICFのモデル図では「**健康状態(変調または病気)**」が出発点として最上位に置かれ、そこから心身機能・身体構造、活動、参加が双方向的に関連し、さらに背景因子が影響を与える構造になっています。
e. 能力障害を参加とした。
❌ 誤り。ICIDHの「能力障害」に対応するのはICFの「**活動**」です。「参加」はICIDHの「社会的不利(ハンディキャップ)」に対応します。
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【試験対策ポイント】
**ICIDH(1980)→ICF(2001)の対応関係**は最頻出ポイントです。
| ICIDH(旧・マイナス表現) | ICF(新・中立表現) |
|---|---|
| 機能・形態障害 | **心身機能・身体構造** |
| 能力障害 | **活動** |
| 社会的不利 | **参加** |
**ICFの構成要素(覚え方):**
- 出発点=**健康状態**
- 生活機能=心身機能・身体構造/活動/参加
- 背景因子=**個人因子+環境因子**
**ICFの特徴:**
- 中立的(ニュートラル)表現に統一(マイナスではない)
- 環境因子の導入
- 各要素が双方向的に影響し合う相互作用モデル(ビオサイコソーシャルモデル)