STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第177問

機能性構音障害第21回
誤っている組み合わせはどれか。
  1. 1.モーラ指折り法 ― 発話速度の調整
  2. 2.フレージング ― 過緊張発声の軽減 ✓
  3. 3.漸次接近法 ― 誤った構音習慣の改善
  4. 4.ブローイング ― 鼻咽腔閉鎖機能の改善
  5. 5.構音位置づけ法 ― 構音操作の習得

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — フレージング ― 過緊張発声の軽減 フレージングは「文や句をまとまりとして発話する訓練」であり、リズムや抑揚の改善、発話の自然さの向上を目的とします。過緊張発声の軽減は、むしろ弛緩法(リラクゼーション)や腹式呼吸などの直接的な発声訓練が適切です。フレージングでは構音や韻律の改善は期待できますが、喉頭周囲筋の過度な緊張を直接的に軽減することはできません。 --- 【各選択肢の解説】 1. モーラ指折り法 ― 発話速度の調整 ✅ 正しい。指を折りながら各音節を発話することで、発話速度をコントロールし、特に加速現象のある失調性構音障害や吃音の速度調整に用いられます。 2. フレージング ― 過緊張発声の軽減 ❌ 誤り。フレージングは文や句をまとまりとして発話する訓練で、韻律改善や抑揚の調整が目的です。過緊張発声の軽減は弛緩法(リラクゼーション)や吸気時腹式呼吸など、筋緊張に直接働きかける訓練が適切です。 3. 漸次接近法 ― 誤った構音習慣の改善 ✅ 正しい。段階的に正音に近づける訓練方法で、誤った構音習慣を持つ患者に対して、より正確な構音へと導く標準的な手法です。 4. ブローイング ― 鼻咽腔閉鎖機能の改善 ✅ 正しい。強い呼気を必要とするブローイング訓練(笛やろうそく吹きなど)により、軟口蓋や咽頭側壁の筋活動が促進され、鼻咽腔閉鎖機能が改善します。 5. 構音位置づけ法 ― 構音操作の習得 ✅ 正しい。舌や唇の位置を視覚的・触覚的に示す訓練で、患者が正しい構音操作位置を学習・習得するための基本的な訓練法です。 --- 【試験対策ポイント】 機能性構音障害の主要訓練法と目的: | 訓練法 | 主要な目的・効果 | |---|---| | 構音位置づけ法 | 正しい構音位置の習得(視覚・触覚的指導) | | 漸次接近法 | 誤った習慣を段階的に正音へ修正 | | 聴覚的フィードバック | 音響的な誤りを自覚させる | | ブローイング | 呼吸筋・軟口蓋・咽頭筋の強化 | | モーラ指折り法 | 発話速度のコントロール(加速現象対策) | | フレージング | 韻律・抑揚・自然な流暢性の改善 | 過緊張発声の軽減:弛緩法・吸気時腹式呼吸・喉頭の下制訓練など、筋緊張に直接働きかけるアプローチが有効 頻出紛らわしいポイント: - フレージングは「呼気コントロール」ではなく「韻律改善」 - ブローイングは「鼻咽腔閉鎖」だけでなく「呼吸筋強化」も兼ねる - 過緊張発声対策は「訓練法」ではなく「評価に基づいた個別指導」が原則
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