第21回 言語聴覚士国家試験 第176問
音声障害第21回
痙攣性発声障害について正しいのはどれか。
- 1.女性より男性に多い。
- 2.60歳以降の高齢者に多い。
- 3.内転型は呼吸困難を合併することが多い。
- 4.内転型は声のつまりを主症状とすることが多い。 ✓
- 5.音声治療によって症状は速やかに改善することが多い。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 内転型は声のつまりを主症状とすることが多い。
痙攣性発声障害(spasmodic dysphonia)は、喉頭の内在筋に局所性ジストニアが生じる疾患です。内転型(内転痙攣型)では声帯が過度に内転することで、発話時に「声がつまる」「詰まった感じ」といった声門閉鎖過剰が特徴となります。これが最も典型的な主症状です。
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【各選択肢の解説】
1. 女性より男性に多い。
❌ 誤り。性別差はないか、むしろ女性に多いとする報告があります。特に内転型では女性患者が増加傾向にあります。
2. 60歳以降の高齢者に多い。
❌ 誤り。好発年齢は40~60歳代が中心で、高齢者特有の疾患ではありません。中高年での発症が典型的です。
3. 内転型は呼吸困難を合併することが多い。
❌ 誤り。呼吸困難は外転型(外転痙攣型)の特徴です。外転型では声帯が開きすぎて息漏れと呼吸困難が生じますが、内転型では音声障害が主で呼吸困難は稀です。
4. 内転型は声のつまりを主症状とすることが多い。
✅ 正しい。内転型では声帯が過度に内転・痙攣するため、「音声の途絶」「声門閉鎖過剰」による「つまる感じ」が典型的主症状です。これが患者の愁訴の中心となります。
5. 音声治療によって症状は速やかに改善することが多い。
❌ 誤り。痙攣性発声障害は「ジストニア」であり、音声治療の効果は限定的です。治療法はボツリヌス毒素注射(声帯内注射)が標準的選択肢であり、音声治療単独では症状は改善しません。
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【試験対策ポイント】
痙攣性発声障害の型別比較:
| 特徴 | 内転型(内転痙攣型) | 外転型(外転痙攣型) |
|---|---|---|
| **主症状** | 声のつまり(音声途絶) | 呼吸困難・息漏れ音声 |
| **声帯の動き** | 過度に内転・痙攣 | 開きすぎる・痙攣 |
| **頻度** | より一般的 | まれ |
| **混合型** | あり | あり |
キーワード:
- ジストニア(不随意運動)→音声治療は無効
- 治療の第一選択:ボツリヌス毒素注射
- 好発年齢:40~60歳代(高齢者病ではない)
- 性別差:なし(男性に多いという記述は誤り)
- 内転型=声がつまる・詰める(「つまり感」が鑑別のキーワード)